OTOA、訪日事業の認知向上へ、危機管理体制も

  • 2014年6月4日

OTOA会長の大畑貴彦氏 日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は、2014年度をインバウンド事業の実質の初年度と位置づけ、海外の旅行会社や国内のサプライヤーに対し、OTOAのインバウンド事業の認知度向上を主眼に展開していく。6月4日に開催した第23回通常総会で事業計画を承認した。

 OTOAでは昨年6月にインバウンド委員会を設立し、会員のサポートをおこなっているところ。現在会員144社のうち、約40社がインバウンド事業を展開。海外の取引先から依頼されるケースが多いという。昨年11月からはインバウンド向けの保険も導入しており、20社弱が加入済みだ。

 また、11月には全会員を対象に実施したアンケート調査も実施しており、広報の強化など、寄せられた多種多様な意見や要望を参考に今後事業を展開していくとした。

 OTOA会長の大畑貴彦氏は、「インバウンドをオペレーターの立場で見て、集めた情報を会員に開示することで、OTOA会員が活動しやすいようにしていきたい」と意欲を示した。今年度は旅館やホテル、バスなど国内サプライヤーの団体と会合の場を設け、情報や意見の交換を実施していく。

 OTOA専務理事の速水邦勝氏は、インバウンドを取り扱う国内外の旅行会社とOTOA会員との間で「支払の件など、商売のやり方がなんとなく違うのではないかという感覚がある」と指摘。国内サプライヤーの希望をヒアリングし、OTOA会員に還元することで、仕入れ強化などに結びつけたいと語った。

 また、OTOA副会長の立身正廣氏は、「(インバウンドには)危機管理の確立が必要。有事の時の対応を一番初めにやるべきこととしてまとめたところ」と説明。今後マニュアルを作成し、会員間で共有していきたいとした。

 加えて、インバウンド事業ではホームページやOTOA NEWSなどを利用して広報活動を展開。インバウンドに関する会議体や会合などにも積極的に参加することで、OTOAの業界内でのプレゼンス向上をはかる。大畑氏は「オフィシャルに参画することで、旅行会社とは異なる話ができるのでは」と語った。