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JTB、13年度は売上5.6%増も減益、原価増や積極投資で

  • 2014年6月1日

 JTBグループの2014年3月期通期(2013年4月1日~2014年3月31日)の連結決算で、売上高(※総額)は前年比5.6%増の1兆3052億円となった。営業利益は12.2%減の135億円で、円安や海外旅行の地上費の上昇が響いたほか、WEB関連広告宣伝費や海外人件費の増加、ハワイの「'OLI'OLIウォーカー」を含む新たな資産の減価償却なども影響した。経常利益は16.5%減の154億円、当期純利益は12.0%減の76億円。

 JTBでは、3ヶ年の中期経営計画の初年度にあたる13年度、国内事業で付加価値と収益性を向上する構造改革と、グローバル事業の本格展開のための基盤づくりに取り組んだ。JTB代表取締役社長の田川博己氏は「今は在外に色々と投資をしているので、販売管理費が少しあがってもやむを得ないという判断でやっている」と説明。2020年の目標である取扱額2兆円を引き続きめざすとし、今後の投資効果に期待を示した。

 旅行事業の売上高は5.8%増の1兆1775億円で、売上原価は6.5%増の1兆316億円、売上総利益は2.4%増の2736億円。このうち、海外旅行では売上高は3.7%増の5322億円と増加。売上原価は地上費の上昇や円安などで5.6%増の4195億円となり、売上総利益は3.0%減の1127億円となった。

 中国、韓国への需要減などで取扱人員が前年を下回ったが、ハワイや欧州の長距離方面で高品質な付加価値商品の販売を強化したことで売上高は堅調に推移。ハワイでは新サービスを、欧州では商品数を1割増やしたという。ルックJTBの売上高は4.1%増と増加した。ただし、団体旅行は1.1%減、メディアは2.2%減と減少している。

 また、法人営業は東南アジア方面で前年超え。WEB販売はウェブサイトの統合やエクスペディアジャパンとの提携をおこなった。

 一方、国内旅行の売上高は5.0%増の5744億円、売上原価は5.2%増の4573億円、売上総利益は3.9%増の1171億円。このうち、エースJTBは6.0%増と好調だった。パンフレット改革や市場に対応した商品改革を実施したところ、高額で高品質な商品や交通手段付きの販売が拡大し販売単価も上昇した。団体は3.3%増、メディアは6.0%減となった。法人営業は業績が好調な企業との取引が伸びて堅調に推移した。

 WEB販売では、「JTBホームページ」で商品数の拡充、検索画面の改善、スマートフォン対応、新たな提携先への商品提供の開始などにより宿泊販売が大幅に増加し、成約率も向上した。なお、海外、国内、訪日旅行部門のWEB販売取扱額は23.2%増の1795億円で2桁増となった。

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