オーストラリア50万人復活へ、TAと各州の動き-ATEレポート(1)
TAは新体制スタート、州の活動と棲み分けで効率化
NSWは日本市場に予算増、QFは日本線プロダクト改善も
▽カンタス航空、羽田就航は需要と機材計画を見極めながら判断
カンタス航空(QF)インターナショナル・セールス・エグゼクティブマネージャーのスティーブン・トンプソン氏は弊誌らのインタビューに応え、日豪航空交渉で合意した深夜早朝発着枠での羽田線について、「常にネットワーク拡大の機会をうかがっているなかで、羽田は魅力的なデスティネーションという位置づけは変えていない」と将来の羽田線開設に含みを持たせる一方、「投資に見合うだけの需要があるかどうか見極める必要がある。また、フリートプラントとも照らし合わせなければならない」と話し、判断はまだ先になる見通しを示した。
また、2011年5月以降運休が続いているパース直行便についても、パースに進出する日本企業が増えている背景に理解を示しつつも、「再開の判断は難しい」との見解を示した。
ただし、「QFグループは日本を含むアジアを非常に重要なマーケットと位置づけている」とトンプソン氏。日本市場では、成田/シドニー線でのプロダクトをアップグレードしているところで、今年1月からは、ビジネスクラスで羽毛布団とマットレスを用意。夜便でのより快適な睡眠をサポートしている。また、睡眠時間をできるだけ長くとってもらうため、朝食についても、従来よりもコンパクトなカフェスタイルに変更した。さらに、A380型機で提供している機内設備を日本路線に投入しているB747型機にも順次搭載していく計画だ。
一方、日本では日本航空(JL)とパートナーシップでビジネスを展開しているが、将来のジョイントベンチャーの可能性については、「JALとのパートナーシップは長い歴史があり、今後もその関係を続けていきたい」と話すに留めた。
なお、商業運航の再開が待たれるB787型機については、今年9月ごろに1号機をジェットスター(JQ)に導入し、QFの国際線への導入は2016年ごろになるとの見通しだ。QFグループはB787-800型機15機を発注。オプションで50機のB787-900型機を購入する権利を持っている。