オーストラリア50万人復活へ、TAと各州の動き-ATEレポート(1)
TAは新体制スタート、州の活動と棲み分けで効率化
NSWは日本市場に予算増、QFは日本線プロダクト改善も
▽DNSW、日本局長を任命へ、QFとの提携でプロモ強化
今回のATEでホスト州となったデスティネーション・ニューサウスウェールズ(DNSW)のサンドラ・チップチェイスCEOは、弊誌らのインタビューに応え、2年近く不在だった日本局長を近々任命すると明言。「NSWにとって、日本は最大のトレードパートナー」と位置づけており、日本局長をすみやかに置くことで日本市場でのプロモーションを強化していきたい考えだ。
2013年度(7月から)の予算はまだ決まっていないが、チップチェイス氏は「基本予算は前年度比40%から50%増えるだろう」と見込み、日本市場に対しては「日本に関心の高いプロダクトは日本向けキャンペーンにさらに投資をしていくだろう。トータルで日本向けの予算は増えるのではないか」との見通しを示した。
また、近頃発表されたカンタス航空(QF)とのパートナーシップについても言及し、「DNSWのプロモーションは新しい段階に入る」と期待感を示した。NSW州政府とQFはシドニーをはじめとするNSWへのインバウンド需要を喚起する観光プロモーションを共同で展開することで合意。それぞれ1500万豪ドルを拠出し、日本を含めた主要市場においてオンラインやSNSを活用したマーケティングおよびPR活動を展開していく。
このほか、チップチェイス氏は「NSWでは雪も降れば、熱帯雨林もある。多様な素材を日本人旅行者に提案できる」と話し、シドニー以外のデスティネーション開発にも意欲を示す。また、2015年にNSW3ヶ所で開かれるサッカーのアジアカップに触れ、スポーツ・イベントをフックとした誘客活動にも力を入れていく考えを示した。