11年は海旅リードで業況好転、取扱高営業利益率が改善-JATA経営分析

2011年は海外旅行が牽引

 回答社196社の取扱額、営業収入に対する海外旅行の比率は、取扱高が前年より2.8ポイント増の44.7%、営業収益は8.3ポイント増の47.6%と拡大した。国内旅行は東日本大震災の影響で縮小しており、2011年の業況好転は、海外旅行が牽引した結果、業況を引き上げたことがわかる。

 規模別では、海外旅行の取扱額構成比率が高いのはEグループ、営業収益の比率が高いのがDグループ。また、規模の最小のAグループと最大のGグループでは企画旅行の比率が取扱額、粗利益とも高いが、それ以外では手配旅行の比率のほうが大きかった。

 なお、海外旅行の旅行別の取扱額の比率は、募集型企画旅行が40%、受注型企画旅行が6%、手配旅行が54%。また、海外旅行の粗利益率は10.68%で、内訳は募集型企画旅行が11.65%、受注型企画旅行が15.04%、手配旅行が9.46%だった。


業態別はホールセラーが好調
販売チャネルはネット比率8.5%に

 業態別で収益性が高かったのはホールセラーだ。営業利益率は22.7%、経常利益率は23.1%と最も高く、生産性も一人あたりの取扱高、営業収入、営業利益、経常利益で他を上回った。取扱高と経常利益の増加率はそれぞれ44.3%増、100.2%増と躍進しており、昨年に比べて業況が大幅に上向いて推移していることがうかがえる。

 次いで営業利益率、経常利益率が高かったのは、業務性旅行特化型。営業利益率は15.0%、経常利益率は15.6%で、一人当たりの営業利益、経常利益でも2番目に多い結果となった。営業利益率、経常利益率で3番目となったのはメディア・通信販売系(営業利益率が10.9%、経常利益率が11.8%)だが、一人当たりの営業利益と経常利益ではインターネット販売系が3番目になっており、生産性の高さを物語っている。

 業態区分別に黒字社数の割合を見ると、相対的にホールセラー、海外旅行ディストリビューター、海外ランドオペレーターのBtoB企業の方が大きい。また、196社の旅行取扱高3兆7342億1212万3000円のうち、BtoC企業は70.1%、BtoBは29.9%。BtoCのうち、通信販売は13.3%の3489億2915万3000円、インターネット販売は8.5%の2230億762万2000円。オンライン化が進むなか、インターネット販売比率は1.0%下がった。