MICE事例に学ぶ(2):計画から実施、旅行会社のサポート-非常時対応も

  • 2011年11月2日

旅行会社は他社とは違う「サービス」重要
企業の動きを察知する人脈もポイント

香港ディズニーランドではテーマパーティーを実施  旅行に対するこだわりが強く、細かな部分まで下調べして自ら主体的に計画するクライアントが、旅行会社を選ぶ際にポイントとするものは何か。

 桜十字グループの場合、旅行先を決定し下見をした後、各旅行会社に見積もりを依頼し、依頼する会社を選ぶ。桜十字グループの神原貴彦氏によると、選定の決め手は「料金に加えて、他とは違うサービスや内容」であるとし、今回は下見に同行したJTBに決定。下見の際に、その時間帯に出していないレストランのメニューを見せてもらうなど「無理をお願いしたが、社員が心から楽しんでほしいという気持ちで真摯に対応してもらった」ことが決め手になったという。

 今回はJTB九州の熊本支店が社員旅行を受注し、現地のJTB香港と協力して、桜十字グループのサポートを実施した。JTB九州熊本支店によると、社内の人的ネットワークから桜十字グループが社員旅行の下見に行く情報を得て、JTB香港と協力のもと、下見の段階から旅行委員に同行させてもらい、現地でサポートをした。JTB香港とのグループのネットワークを活用した迅速な対応や、料金面での優位性もあり、初受注につながったという。

 桜十字グループは旅行や現地に対する知識レベルが高いクライアントであったため、JTB香港団体課担当課長の中村英哲氏は、下見の段階から旅行委員が「旅行会社が入らなくても旅行ができるレベルまで調べていた」のを確認し、「普通のクライアントよりも少し離れた部分でのお手伝いを心がけた」と話す。旅行委員のアイディアをもとに下見に同行し、ニーズに適した立地の良いホテルなどを提案。計画段階では香港ディズニーランドでのキャラクターグリーティングをサプライズ企画とするなど、より参加者が楽しめるようなアドバイスをするように努めた。