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MICE事例に学ぶ(2):計画から実施、旅行会社のサポート-非常時対応も

  • 2011年11月2日

2日目の自由行動では、香港観光のオプショナルツアーも  熊本の桜十字グループは8月中旬から10月上旬にかけて、香港で9班に分かれて社員旅行を実施した。前回の記事では社員旅行の事例から、政府観光局や香港ディズニーランドの社内旅行、報奨旅行といったMICEのうち「I」の誘致策が中心だったが、今回はオーガナイザー自身の成功への工夫や、旅行会社との関わりについてまとめた。また、今回記者が同行する予定だった第7班は、台風の影響で香港ディズニーランドが一時閉鎖となり、旅程を急遽変更する場面もあった。旅行会社やサプライヤーの非常時における対応やサポートについても考えてみたい。

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スタッフが下見して旅行先を決定
オリジナルマップ作成も

オリジナルマップにはまわり方のモデルコースも  桜十字グループでは海外社員旅行のため、スタッフが「旅行委員」という旅行を企画・統括する専門委員となり、旅行先の選定から事前の情報収集、現地の下見、ホテルや訪問先の選定などをおこなっている。もちろん旅行会社と相談しながらの決定だが、旅行委員の畑地温子氏によると、「旅行会社に丸投げするだけはなく、自分たちが足を使って見て、自分たちがいいと思ったことを紹介している」という。

 同氏によると、桜十字グループのモットーは「(仕事では)大統領のように働き、(休日は)女王様(王様)のように遊ぶ」というもの。こうしたモットーに即し、スタッフが全力で遊び、楽しめるよう、主体的に旅行に関わり全力でサポートしているという。

 たとえば、看護婦から医師までの幅広い年齢層のスタッフ全員が楽しめるような工夫をしている。今回訪問した香港ディズニーランドの場合、若手スタッフは自分の好みに合わせてパークを回ることができるが、テーマパーク未経験者や年齢が高いスタッフのなかには楽しみ方がわからないものもいる。そのため、旅行委員が事前に乗り物やアトラクションを調べ、モデルプランを設定。見どころや休憩スポットなどを記述したオリジナルのガイドマップも用意し、希望者に配布した。この結果、普段テーマパークにあまり行かないような壮年の男性なども「初めてメリーゴーランドに乗った」「意外と面白かった」と楽しんでいたという。

ホテルのロビー脇にツアーデスクを設置して対応  さらに、宿泊ホテルにツアーデスクの設置を要望。今回の旅行を取り扱ったジェイティービー(JTB)の各オプショナルツアーの実施時間を案内するほか、スタッフの質問にも丁寧に回答するという。

 こうした取り組みの結果、社員旅行後に提出してもらう参加者のレポートでは「(英語ができないため)コミュニケーションを取るのに苦労したが、笑顔などノンバーバルなコミュニケーションの重要さを改めて実感した」「自分たちも患者さまと笑顔でコミュニケーションを取っていきたい」という、業務に対する前向きなコメントが寄せられた。