約款見直しは「必要」、観光庁検討会で共通認識
観光庁が11月1日に開催した、標準旅行業約款の見直しに関する検討会第3回で、約款見直しは「必要」であるとの共通認識が得られた。これまでの検討会では日本旅行業協会(JATA)から、PEX運賃の増加や取消率の拡大、取り消しに伴って発生する手配業務などによる販売管理費の増加など、現行の取消料規定が現実とそぐわなくなっていることを説明。今回の議論では、こうした環境の変化について理解が示され、約款を見直す必要があるとの認識が共有されたという。
ただし、取り消しに伴う販売管理費の増加に関しては、取り消した人にのみかかる費用と、取り消さない人にも共通で発生する固定的な費用について、内訳を精査する必要があるとの見解が示された。JATAは、海外旅行の平均単価を14万1732円とした場合、販売管理費は1万4600円と旅行代金の約10%にあたると説明。これに対しては、「共通経費として発生している分もあるのではないか」「細かい内容が分かれば」といった意見もあり、今後、具体的な取消料規定について議論する上で、目安となるデータなどを提出する必要もありそうだ。
なお、実際に取り消した人からの取消料だけでは販売管理費をまかなえないため、取り消しが発生した場合にかかる費用を旅行代金の中に含める実態もあるが、今回の議論を踏まえた改正が実現すれば、こうした現状の是正にもつながることが見込まれる。