神戸港の客船誘致、CIQ改善の取り組みも
神戸港、設備や環境の良さに自信
神戸市が客船誘致を本格化させたのは、客船誘致専門のセクションを設置した2006年。その後、2007年には100隻、2010年には103隻の客船を誘致し、横浜に続き日本で2番目に、西日本では最も客船入港隻数の多い港となった。客船誘致の意義について、岩尾氏は、「神戸のウォーターフロントに客船が着くことで神戸のイメージアップになる。また、乗客が観光面で神戸市へお金を落とすという経済効果も見込める」と説明する。
岩尾氏によると、神戸港の武器はその「ファシリティ」の良さだ。神戸港には神戸ポートターミナルと中突堤旅客ターミナルの2つのターミナルがあり、神戸ポートターミナルはボイジャーなどの大型船にも対応でき、中突堤は主に飛鳥IIやにっぽん丸など最大5万トンクラスまでの客船が着く。
このうち、神戸ポートターミナルは三宮駅と神戸空港の間のポートライナー駅に隣接しており、アクセスの利便性が高い。また、高速道路への入り口も近く、旅行会社がツアーを組む際にも、大型バスなどで大阪や京都に向かう際にも便利だ。一方、中突堤ターミナルは大丸やモザイク、ポートタワーなどの商業施設などに近く、ターミナルの出入国ロビーはメリケンパークホテルの2階フロアに位置。いずれのターミナルも、駅までの無料シャトルバスを神戸市が運行しているため、個人で参加している場合も利用しやすい。
岩尾氏は、2つのターミナルを持つことを強みとして、アジアクルーズ、瀬戸内海クルーズなど「大型、小型にかかわらず色々なクルーズに対応できることをアピールしたい」という。