フォーシーズンズ、各地に新ホテル計画-GMら来日、需要回復伝える
フォーシーズンズホテル・アンド・リゾート(FSH&R)は8月25日、世界各地の22ホテルから総支配人(GM)らを集め、セミナーとワークショップを開催した。セミナーでFSH&R本社マーケティング・マネージャーのサラ・ペイン氏は、2011年はこれまでにロンドン、マラケシュですでに改装と新規開業を果たしたと紹介。また、2011年第4四半期頃にはサンクトペテルブルク、アゼルバイジャン、広州など、2012年には上海、深センの開業を予定しているとし、積極的な展開をアピールした。
また、各ホテルのGMらは、日本市場の現状や最新情報、日本人向けのサービスなどを説明。市場については、本誌の取材に応じた内容を含めると、概ね各ホテルとも震災による落ち込みから回復しつつあるといい、例えば、シンガポールとバリは通年でも2010年の水準に達する見込み。香港では、昨年の羽田線の就航が強い追い風になっているの分析。上海は前年を割り込んでいるものの、上海万博の反動を考えれば、予想を上回っているという。また、モルディブなどホテルによっては新しい需要の取り込みも進んでいるといい、シンガポールでは今後、子連れの家族旅行により注力する方針。
このほか、最新情報としては、チェンライに10軒のプールヴィラができたほか、2012年にはミラノにスパが完成。シンガポールはカップル向けのフロアを新設し、特別の内装やアメニティ、サービスを提供。LGBT市場にも意欲を見せる。また、昨年開業した杭州は、上海との組み合わせでの訴求がうまくいっているといい、今後も「フォーシーズンズホテルに宿泊しながら、現代的な中国と古来からの中国を一度に楽しめる旅行」を訴えていくという。
なお、FSH&Rは今年、開業50周年を迎えており、CSRとして、世界中の3万1000人の全従業員などが1000万本の木を植えるという緑化運動や、既存ホテルのローカルコミュニティとの融合、がん研究の推進への協力などを展開しているところ。また、日本の震災に対しても、特製Tシャツを販売し、従業員の寄付や宿泊客からの募金を含めて約30万USドル(2300万円)を寄付したという。