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オーストラリア政観、2010年は40万人回復めざす−堀局長、「悪い要因ない」

  • 2010年2月26日
 オーストラリア政府観光局(TA)は2010年、日本人訪問者数40万人の達成をめざす。TA日本局長の堀和典氏によると、2009年は新型インフルエンザで教育旅行だけで3万人以上のキャンセルが発生するなど大きな影響を受けたが、全体でみた経済効果は2%減にとどまった。滞在日数も9%増となっており、日本人訪問者数は落ち込んだものの、現地への経済効果は微減にとどめることができ、「その意味ではよい結果」と分析だ。その上で堀氏は、「今年は悪い要因がない」と強調。むしろ、今年に入って1月から3月の航空会社の搭乗率が好調であることや、4月以降もジェットスター航空(JQ)の関空/ケアンズ線復便やカンタス航空(QF)の成田/シドニー線の機材大型化など好材料がそろっているとの分析だ。

 2010年の具体的な戦略としては、2009年度下期からの方針を継続。団体旅行は7割を占める教育旅行を中心に力を入れ、旅行会社の団体セールスに依存するだけでなく、学校や教師へのアプローチを強化。すでに、学校側からニーズが高い事前学習に使用可能なハンドブックを作成したほか、教育旅行専用のウェブサイトでもメールマガジンの配信を開始した。

 レジャーでは、パッケージとFIT両方に注力。特にFITは「日本人出国者数のうち9割がリピーターと成熟した市場の中で、パッケージでは満足できなくなってきている」ことから、ウェブサイトや印刷物でSIT向けの情報を整理し、「(FITでも)旅行しやすいデスティネーションにしていきたい」考え。SITの情報発信などを目的としている「オージー王子」キャンペーンでは、ウェブサイトの訪問者数などが好調な推移を見せているという。また、ジョン・カビラさんらによるストーリーテリング方式の情報発信も継続する。なお、FITは現在「かなり増えてきている」といい、日本人訪問者数に占める割合はパッケージとFITが4割ずつ、団体が2割程度になっている。

 また、旅行会社の店頭におけるコンサルティング能力の向上にも引き続き注力。教育プログラム「JATAデスティネーション・スペシャリスト/オージー・スペシャリスト・プログラム(D/S ASP)」の取得促進やFAMツアー、セミナーを実施する。2月24日と25日には19年目となる「ジャパン・オーストラリア・ミッション(JAM)」を東京で開催。オーストラリアからは州・地域の観光局を含めて42社・団体の46名が参加し、バイヤーは日本全国から50名が集まった。さらに、3年連続で実施しているディスプレイコンテストは、応募店舗が順調に増えていることに加え、「店頭を飾り付けるだけでなく、各店舗で研修も実施されている」ことを評価した。


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