全旅、「地旅大賞」を創設し着地型旅行の事業化支援

 全旅(池田孝昭社長)が「地旅(じたび)大賞」を創設する。全国のANTA(社団法人全国旅行業協会)5700会員に着地型旅行の事業化を促し、地旅の知名度アップや地域活性化につながる意味を啓蒙することが目的。9月29日に大阪市内で開いた「地旅推進協議会」の初会合で決めた。大賞をはじめ各賞に賞金を設け、商品流通などを支援する。

 全旅では、今年を「地旅を推進する勝負の年」(池田社長)と位置づけ、ANTAが主催する国内観光活性化フォーラム(09年3月、静岡県で開催)で初めて「地旅大商談会」を実施すると明らかにしていた。

 地旅推進協議会の初会合では、さらに一歩踏み込み地旅大賞を創設することを決めた。地旅が「地域活性化につながる公器としての役割」を持つという理念から、業界内外へ地旅の意義を発信していこうという考えだ。

 また、推進協では「地域を誇りに感じている人たちが、そこを楽しみに来てくれる人たちのために、企画しておもてなしする旅」と地旅のキャッチフレーズを固めた。同社の支店を通じて10月から全国のANTA会員に地旅商品を募っている。

 地旅大賞の応募はANTA会員に限るものの、事業主体は自治体やNPO、旅館ホテルなども可能とし?テーマや目的が明確?自然や生活文化、歴史資産など地域資源の保全に取り組んでいる?地元の人たちと協力して企画・造成している?地域の食材や伝統工芸品などを生かし地域振興に貢献する―などを地旅の認定要件として定めた。

 12月10日までエントリーを受け付け、09年1月中に選考委員会を開く。地旅の認定要件のほか、地域内連携、持続性、ユニークさなども審査し、もっとも優秀な旅行商品は地旅大賞とし賞金50万円を贈る。そのほか優秀賞3点に30万円ずつ、特別賞10点に10万円ずつを贈呈する。

 表彰は3月の地旅大商談会で行う。全旅では、開催地をはじめ受賞地域のマスコミによるパブリシティ効果や、観光関係者へ地旅を周知する機会として複合的な効果も期待する。

 各賞を受賞した地旅商品および地域に対しては、年内にリニューアル予定のANTA―NET上で集中送客キャンペーンを展開するほか、推進協メンバーらによる地旅シンポジウムの実施を計画している。

所定のエントリーシートは、全国47の同社営業所などで配布している。

 池田社長は『地旅の普及拡大に向け、数多くのエントリーをお待ちしています』と呼びかけ、着地型旅行のビジネスモデルを示し2−3年後には「地旅博覧会を開催したい」と意気込んでいる。

 なお、地旅推進協議会の会長には佐藤喜子光さん(平安女学院大学国際観光学部長)が就いた。

情報提供:トラベルニュース社