豪州の準公的機関「ATDW」が面白い。国内の観光素材のデータを一元管理・標準化し、業者と観光産業全体の競争力を向上する仕組みとは?
品質保証にも注力、翻訳機能も
ATDWはデータ品質の維持も重視。専任担当者5人が全登録内容を目視で確認し、リンク切れや誤字脱字の修正、文章表現の精査も実施。また、日本語を含む10言語への自動翻訳も採用しており、TA日本語サイトなどで閲覧できるのはAPIで取得された翻訳済みのコンテンツだ。
データは「親子構造」で、例えばホテルであればホテル全体の情報(レストランやプール、ジムなど施設情報)を「親」とし、個別の客室タイプごとの客室数や画像、宿泊可能人数などを「子」として管理。ただし在庫数や料金のデータは保持しない。
また、入力欄ごとに数字のみ可、電話番号も特定フォーマット限定など入力ルールを強制しデータ品質を自動的に担保。画像も厳格なルールを設けているほか、星評価やエコ認証なども認証機関の情報をもとにATDW側で付与。業者側が自己申告で登録することはできない仕様となっている。
AI時代への対応模索、「レイクハウス型」転換へ
ATDWの認識では、国全体の観光コンテンツを無料または低コストで一元管理する仕組みは他にないとのこと。他国から問い合わせが来ることもあるほか、オリンピックなどの誘致活動においても重要な役割を果たしているという。
目下の課題は11年前に構築された現行プラットフォームの更新で、「今すぐ着手するか、6ヶ月、あるいは1年待って技術の方向性が固まってから動くか」の難しさもありつつAI時代に対応するアップグレードを計画中。
具体的には、データを「貯める」「整える」「分析する」を一気通貫でできる「レイクハウス型」への転換により、例えば「小さな子供を連れての旅行で、こういうことがしたい」という入力に対して最適なデータを返すような、会話型のレスポンスを可能にしたい考えだ。

