コミュニケーションスキルの使い分けが大切!-縁多 日比野元哉氏
2. 指導期間(Consulting)
この期間では、スタッフが基本的な作業をこなせるようになった段階で、さらに実践的な経験を積みながら成長できるよう支援します。
誰しも、業務の中で「失敗」し、その経験から「工夫」を学びます。管理者は、そうした経験をタイミングよく共有しながら、適切なアドバイスを行い、正解へと導く役割を果たします。
一般的には「Consulting」として、失敗の原因を整理し、解決策を伝えながら技術の定着を図ります。
3. 自律期間(Coaching)
この期間では、すでに技術を身につけたスタッフが、自ら考え行動できるよう促します。ここでは「答えを教えない」ことがポイントです。
管理者はあくまでも伴走者として、適切な問いかけを通じてスタッフ自身の「気づき」を引き出します。これは「Coaching」というコミュニケーション技術にあたります。この期間を経ることで、スタッフは指示を待つのではなく、自ら課題を解決できる力を養うことができます。
適切なスキルを適切な時期に使う
縁多では、各ステージに応じた具体的な声かけや問いかけの方法を学ぶプログラムを提供しています。これらのスキルを効果的に活用するためには、人間の心理や思考、脳の働きについての理解も欠かせません。ただ技術を使うだけではなく、相手の状況に応じた適切なアプローチを選ぶことが、効果的な支援につながるのです。
例えば、教育期間のスタッフに対して「Coaching」を行っても、適切な成果は期待できません。その時期に合ったコミュニケーションスキルを使うことで、目標達成を確実にサポートできるのです。
目標を共有しながら、どのような時間を過ごせば達成できるのかを考えることで、必要なコミュニケーションスキルが見えてきます。
次回は、人間の脳や心の働きについて触れながら、より効果的なコミュニケーションの方法をお伝えしたいと思います。