コミュニケーションスキルの使い分けが大切!-縁多 日比野元哉氏
今年の冬は全国的に雪が多く、寒い日が続きましたね。スキー好きの私にとっては楽しいシーズンでしたが、春の訪れを待ちわびていた方も多いのではないでしょうか。ようやく桜の季節がやってきました。
さて、前回は「目標設定の重要性」についてお話ししました。スタッフの定着率向上、ひいては人材不足の解消を目的とし、個人の目標だけでなく組織としての共通目標を持つことの大切さをお伝えしました。そして、最も重要なのは「その目標をどのように維持するか」です。個人で目標を掲げるだけでは、途中で見失ってしまうことも少なくありません。そこで、個々の目標達成を支援する「管理者」の役割が不可欠になります。
管理者の役割とコミュニケーションスキル
管理者は、チーム全体の状態だけでなく、スタッフ一人ひとりのスキルや心理状態を理解する必要があります。特に、スタッフがどのレベルにいるのかを把握し、それに応じた適切な声かけをすることが重要です。その支援の方法が「コミュニケーションスキル」なのです。
縁多では、コミュニケーションスキルを以下の3つのステージに分けて使い分けることを推奨しています。
1.教育期間(教える)- Teaching
2.指導期間(経験させる)- Consulting
3.自律期間(気づかせる)- Coaching
1. 教育期間(Teaching)
この期間では、基本的な作業や動作を組織の基準に従って正確に身につけてもらうことが目的です。そのために必要なのは、「伝える技術」です。
特に重要なのは、個々のやり方に流されず、統一された基準を持つこと。そのためには、会社として「どの技術を」「どのような形で」身につけてもらいたいのかを明確にし、具体的な基準を示すことが必要です。例えば、作業時間の目安を設けることで、評価の際の基準も明確になります。
「Teaching」では、以下の4つのステップを通じて指導します。
1.見せる(まずはお手本を示す)
2.協業する(一緒に作業しながら学ぶ)
3.支援する(サポートしながら実践させる)
4.確認する(最終的に正しくできているかチェック)