新パスポートの発給開始、オンライン申請の利便性充実、発給まで時間増も
外務省は3月24日の申請受理分から、新しいパスポートの発給を開始する予定だ。国際民間航空機関(ICAO)の勧告などを踏まえて偽造・変造の対策を大幅に強化したもの。
従来からの変更点として、氏名や顔画像を記載するページがプラスチック素材となってそこにレーザーで印字、印画することになる。そして、それとともにこれまでは申請を受理した都道府県の旅券事務所などでパスポートを作成、交付してきていたが、新パスポートは国立印刷局で集中的に作成して都道府県や国外に配送してから申請者に交付することになる。
これに伴って申請から交付までの期間が国内ではこれまで1週間程度だったところが2週間程度となり、国外も2週間から1ヶ月程度となるため、外務省では海外旅行の際には早めに申請するよう要請。目安として旅行の1ヶ月前までに申請を終えるように呼びかけている。
また申請手続きでも、同じく3月24日からオンライン申請を中心に利便性を向上。オンライン申請は2023年3月に導入したもので、これまでは国内については原則としてパスポートの更新(切替申請)のみ対応し国外からの場合は新規の申請も受け付けていたが、新たに国内外問わず新規の申請も可能となる。
加えて、申請時にマイナンバーカードを利用することで戸籍情報がシステム上で連携されて戸籍謄本の原本の提出も不要になったほか、申請手数料も窓口とシステムとで差別化。10年用の場合、現行が1万6000円のところオンラインであれば1万5900円で窓口は1万6300円、5年用では現行1万1000円に対しオンライン1万900円、窓口1万1300円となる。
外務省では、オンライン申請では旅券事務所などの窓口への訪問が受け取りの際の1回のみで済むこと、戸籍謄本の原本が不要となること、手数料も割安になること、手数料のクレジットカード決済が可能であることなどをアピールしてオンライン申請の利用を促進していきたい考えだ。なお、2024年の切替申請の総数約61万件のうちオンライン申請は約19万件で、オンラインの比率は約3割となったという。
なお、今回の新パスポート発行開始と合わせて、観光庁と外務省、日本旅行業協会(JATA)はパスポート取得率の向上と海外旅行需要の拡大をめざして「もっと!海外へ宣言」を発出するとともにキャンペーンも開始している。