スウェーデン発フライトテック Etraveli Group、日本市場に本格参入 B2B領域での成長戦略とは

Etraveli Group

 Expedia、Booking.com、Trip.comなど日本市場でもグローバルOTAがプレゼンスを高めている中で、B2B領域でもグローバルプレーヤーが日本市場での展開を模索している。航空券の販売におけるソリューションに強みを持つスウェーデン発の「Etraveli Group」がその一つで、日本市場での展開にあたりオフィスや人員を確保し、旅行業(第3種旅行業)やIATAも取得した。日本市場における同社の取り組みや狙いについて、取締役オーサ・グーブ氏と日本のカントリーマネージャー赤井亮太氏に話を聞いた。

-まずは貴社の紹介をお願いします。
オーサ・グーブ氏

オーサ・グーブ氏(以下敬称略) 当社はスウェーデンに本社を置き、6ヶ国に9つのメインオフィスとその他日本を含めた多くのローカルオフィスも有している。現在世界75の国・地域でサービス展開を行っているフライトテック企業。

 B2C事業では、「mytrip」、「GO TO GATE」、「flight network」の3ブランドを展開している。いずれもオンライン旅行予約サイトで国・地域によってブランド展開を変えていて、年間の総取扱人数は約4000万人。その他、スウェーデンNo.1のメタサーチ「flygresor.se」や、OTAなどに対しAPIでバーチャルインターライン*やLCC、NDCのコンテンツなどを提供する「TripStack」なども当社グループとなっている。また、「Precision」は当社のプロダクトで、OTAやエアラインに対し、不正なクレジットカードでの支払いを低減するなどのリスクマネジメントソリューションを提供している。

 また、「skyscanner」、「KAYAK」、「トラベルコ」などのグローバル、及びローカルメタサーチや、「GoogleFlights」、「Booking.com」らと戦略的パートナーシップを形成している。

*コードシェア契約やアライアンス契約も結んでいないエアライン同士のフライトを組み合わせること。

-EUがBooking.comによる貴社の買収を阻止していたが影響は。

グーブ M&AはEU Commission(欧州委員会)に阻止されたが、我々の日々のビジネスに影響はない。また、Booking.comとはフライトコンテンツの提供に関して長期契約を締結しており、今後数年間は同社にフライトコンテンツを提供することが決まっている。

-「トラベルコ」への掲載など日本での展開は以前から行っておりますが、今回改めて日本市場に注力する理由は。

グーブ 世界11位の人口、4位のGDPと旅行市場が大きいことは間違いない。さらに、訪日需要は拡大している。アウトバウンド・国内旅行もバランスが取れており、当社の見立てでは現在世界7~8番目の旅行市場を有している。

 また、パートナーのBooking.comも日本を重点市場に置いている。同社のサポートは当社の戦略の一つなので、日本市場での展開に力を入れていきたい。