競争激化のLCC業界で独自路線展開するスクート、旅行代理店経由の販売で日本発需要喚起-日本支社長比留間氏
比留間 アウトバウンド市場には大きく3つの要素が影響すると考えている。1点目が為替の問題。コロナ後は円安の状況が続いており、もしかしたらこれがスタンダードになってしまう可能性もある。この為替の動きは、運航コストへも大きな影響が出てくる。
2点目がパスポート所有率。現在は20%もない状況で、この母数がなかなか膨らまないことに懸念している。コロナ前は最大24%程だったが、3月からオンライン申請が可能になるためこの数値に迫ることに期待している。
3点目が海外旅行の魅力の訴求。あらゆる余暇活動の中で、海外旅行に行ってみたいというモチベーションを持たせるための魅力をどれだけ発信できるかが重要だと感じている。これは航空会社や旅行会社が全体で押し上げなきゃいけない部分で、それができると日本人のアウトバウンド市場も上向いてくるのでは。
比留間 路線やシーズンでもかなり変動はあるが、日本発着全体では4割が直販、6割がOTAも含めた代理店などB2B販売によるもの。
メタサーチ経由で、行きたい場所からの検索で値段順でソートしてスクートが選ばれることが多い。そういった意味では認知度はまだまだ低く、その改善は当社のテーマの一つ。様々なチャネルからスクートの商品展開をしていただくことで、知名度を底上げできるため、直販に絞ることはなくあらゆる方法を探っている。
例として、旅行会社では募集型企画旅行の造成をいただいている。スクート日本支社としてもセールスチームを組成しており、LCCの場合GSA(総販売代理店)を利用するケースも多いが、当社では席の管理や予約などバックオフィスの仕事も全て自社で請け負っている。日本特有の旅行代理店経由のマーケットはまだまだ底堅いため、そこに対するアプローチもしっかりやっていきたい。
比留間 団体も受けており徐々に増えている。ただ、修学旅行などの場合、「LCC×外航」はイメージとして安全性の部分で不安を抱く親御さんも多い。その認識の改善のために啓蒙活動はこれからも続けていきたい。
比留間 申し上げたように日本市場はシンガポール側から見ても非常に重要なマーケット。日本発の部分では、まだまだコロナ前に戻っていないので、より深掘りしてお客様の層を広げて需要に応えるためのフライトスケジュールの調整だったり、プロダクトの刷新だったりを引き続きやっていきたい。