競争激化のLCC業界で独自路線展開するスクート、旅行代理店経由の販売で日本発需要喚起-日本支社長比留間氏

  • 2025年1月27日
-他社との差別化ポイントはいかがでしょうか。

比留間 LCCの多くは、1機種もしくは2機種のみで運航しているが、当社は大型のボーイング787とナローボディのエアバス320シリーズ、加えて昨年の4月から小型のエンブラエルE190-E2機を投入し、大きく分けて3種類の機体を持っている。タイプの違う機体を持つことによって、中小都市含めより多くの都市へネットワークを広げることができる。また、SQとの相互利用も可能で、SQでシンガポールまで行き、そこからスクートしか運航していない中距離、短距離の路線に乗り継げることは強みの一つ。

足元が広く、ヘッドレストが調整可能な静音キャビン「Scoot-in-Silence」

 他には、日本にも就航している787型機の中で、「スクートPlus」と呼ばれるエコノミーの上級クラスを設定しており、「Scoot-in-Silence(スクート・イン・サイレンス)」という、12歳以上のお客様のみがご予約いただける専用の静音キャビンも用意している。あとは、通常持ち込み手荷物は7kgがLCCでは一般的だが、当社は10kg。また、燃油サーチャージが不要などが他社との違い。

-直近展開したサービスはありますか。

比留間 基本的には直販したものに限りますが、予約後24時間以内にオプションとして追加料金をいただくことで、フライトの4時間前までキャンセルができるサービスを開始した。まだ開始間もないので、周知も含めて足りない部分はあるが少しずつポジティブな動きが見えてくることに期待している。

今後もニーズとコスト面のバランスを見ながら新しいサービスを検討していく予定で、例として、現在成田で運用されているKIOSKでのチェックインサービスをまだ展開していない各就航地で対応できれば、スムーズなチェックインプロセスを提供できるとともに、一定の人件費を削減でき、航空運賃にも反映できると考えている。

-日本路線4路線の搭乗率やインバウンドとアウトバウンドの比率はいかがですか。

比留間 コロナ明けから当社としては積極的に路線を戻してきたが、うまく需要が合致して搭乗率は9割程と高い水準をキープしている。インバウンドとアウトバウンドの比率はシーズン毎でブレはあるが、路線別に見ると、新千歳は2割から3割程度が日本発、成田=台北は4割前後が日本発、成田=シンガポールは半分程が日本発、関西=シンガポールは3割から4割程度が日本発となっている。

 日本支社のKPIは"日本発をどれだけ増やせるか"だが、コロナ前と比較した場合、東京・大阪路線はもう少し日本発の比率が多かった。円安の影響が大きいが、ここは増やしていきたい。

-日本路線の今後の展開はいかがでしょうか。

比留間 当社は柔軟性を保ち、消費者のニーズに応えるためにネットワークを継続的に見直し、必要に応じて路線の調整を行っている。 シンガポール側から見ても日本市場が非常に重要であることは間違いない。新規路線開拓か増便か、いずれにせよ需要のバランスを見ながらの判断になってくる。

 一方で、シンガポール以遠の部分は続々と広がっている。直近では中国や東南アジア方面にネットワークを広げている。