コロナで需要消滅のMICE市場をどう乗り越えた?国内DMOの課題は?ープロアクティブ代表 小島史寛氏

-観光庁のDMO登録制度が始まって、まもなく10年が経ちますが、DMOの現状、課題についてお聞かせください。

小島 組織力向上、人材育成、事業持続性が一番の課題ではないでしょうか。

 熱い意識を持ったプロパー職員が主役になっていける組織が理想と考えていて、上層部が変わっても継続される事業展開や組織づくりが重要になってくると思います。

 DMOの成功事例として「田辺市熊野ツーリズムビューロー」を見ても、やはり地域に対し熱い気持ちを持ったプロパーの方が主役になっています。

 事業持続性の部分では、現状は人も頻繁に変われば、予算も年間単位でしか検討されないため伝承性がありません。予算としては、今後宿泊税がDMOへの財源として救世主となる可能性が高いですが、だからこそそのお金をどう地域のために使うか。そこを真っ当に考えられる人材がDMOにいるかが重要になってきます。

-観光庁では観光DXの推進も積極的かと思いますが、DXを支援する貴社から見て、現状はどのように見ておりますでしょうか?

小島 どうしてもDXが最初に来ると、それですべて解決すると考えている傾向があるように思います。

 デジタルは人が使うものであり、業務プロセスを効率化するものです。プロセスは組織ごとに異なっており、それを可視化し課題を洗い出すことが必須で、それを行わずにシステムを導入しても役には立ちません。

-今後の展望についてお聞かせください。

小島 私たちのパーパスは、MICEでお困りのお客さまの役に立ち成功に導くこと。すべてはお客さまのMICE成功のために「MICE業界オンリーワンの、顧客トップオブマインド企業、MICEソリューションカンパニー」ビジョンに掲げています。

 役に立つためには、お客さまがお困りの時に当社を思い浮かべ、依頼いただき、当社がそこにフィットする提案を行う。結果、満足いただけるサービス提供を行いファンになっていただく、そんな会社であり続けたいと思います。

-ありがとうございました。