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コロナで需要消滅のMICE市場をどう乗り越えた?国内DMOの課題は?ープロアクティブ代表 小島史寛氏

-コロナ禍を経てMICE分野では、どのような変化があったでしょうか?

小島 オンラインMICE市場の創出と拡大が起こりましたが、今はレッドオーシャン化、コモディティ化は否めません。

 また、「MICEは元の世界には戻れず、ハイブリッド型が主流になる」との予想が多かったですが、ハイブリッド型の場合開催コストが高くなるなどの課題もあり、現在はリアルへ回帰しており、結果としてはリアルの価値が大きく向上したと感じています。

 ただ、例え開催がリアルであっても、デジタルを使った業務プロセスの効率化は意識されるようになっています。

-DX支援における貴社サービスの強みをお聞かせください。

小島 当社ソリューションの特徴は、MICE開催における業務プロセス単位、且つオンデマンドでデジタルサービスが提供できること。そしてそのサービス提供を人が行うことです。人が顧客の課題をヒアリングし、顧客にとって最適なソリューションを提供しています。

 例えば、コロナ禍で試食会を開催できなくなった食品卸会社へは、その代替として動画配信サービスの提供を行いましたが、同サービスはコロナ収束後もオウンドメディアの役割として、そのまま活用いただいています。

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-MICE分野での旅行業との連携はされておりますでしょうか。

小島 15年前からJTBのMICE基幹システム「AMARYS」の開発と保守を担当しており、様々なMICEに対応できるシステムとして現在も稼働しています。

 また、デジタル分野やBPO分野問わず、多くの旅行会社とMICE案件単位での協業も行っています。

-来年は関西万博も開催されますが、国内MICE市場への影響についてお聞かせください。

小島 万博は各国のナショナルデーをはじめとして、万博という大きな器の中に小さなMICEが無数に開催されるイベントのため、それぞれの主催者単位でビジネスが発生する特徴があります。

 また、各国からの要人も来日するため、万博会場だけではなく関西圏や首都圏での交流など様々な催事が行われることで、MICE事業者への影響はもちろん、それぞれの地域に波及する経済効果も大きいと思います。

-DMOや地域支援について、具体的な事例をお聞かせください。

小島 現在当社では、神戸観光局の着地型観光事業である「神戸のとびら」をお手伝いさせていただいております。この事業では、神戸らしさを存分に感じられる特選体験プログラムを企画、造成、実施まで一貫してサポートしており、同様の支援を姫路や西宮でも展開しています。

-強みはどこでしょうか?

小島 当社のエリアマネジメント事業における強みは、顧客志向、地域密着型、高品質な企画⼒、柔軟な対応⼒です。小さな会社であるからこそ、しがらみのないまっすぐな支援が実現できますし、委託元のお客様はもちろん、地域に根差した様々な事業者と同じ目線で、一緒に仕事をすることを重要視しています。

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