和田長官、持続可能な観光へ「3つの戦略」を推進

-観光関連事業者は、コロナ禍のダメージが完全に癒えない状態で需要を受け止めなければならない状況にあります。今後の観光関連事業者への長期的な経営支援についてどのようにお考えですか。

和田 例えば宿泊業では、2021年度の売上高はコロナ前と比較して3割以上落ち込んでいます。また2021年度末の債務残高も2019年度比で約4割増えている状況にあります。全国旅行支援や水際措置の緩和により、足元の状況は回復傾向にありますが、引き続き経営状況が厳しい事業者が多い状況と承知しています。

 まずは引き続き需要喚起を図るべく、全国旅行支援を年明け以降も実施することとしています。加えて、観光地・観光産業の再生・高付加価値化、観光産業のDX化支援の充実化を図り、収益力向上や経営の効率化を支援していきたいと考えています。

-インバウンドの回復、アウトバウンドの促進を含めて、国際交流、相互交流の拡大には今後どのように取り組んでいかれますか。

和田 観光による国際交流は、国際間の相互理解の促進の意味からも重要だと思っています。さらに、国際交流に不可欠な航空ネットワークは、双方向の需要を増やしていくことで拡充に繋がります。インバウンドとアウトバウンドの両面で人的交流の拡大に取り組みたいと考えています。

 インバウンドについては、回復をさらにスピードアップしていくことが重要です。まずは全国各地で特別な体験等を提供して世界に発信する「観光再始動事業」で外国人に訴求できるコンテンツを用意し、速やかに実施すること。また、航空便の復便が十分ではないので、日本政府観光局(JNTO)と航空会社との共同広告を活用して国際線の復便促進を図っていきたいと考えています。

 アウトバウンドについては、水際措置の緩和で海外旅行に行きやすい状況が徐々に整ってきていますが、円安や燃油費の高騰、感染への不安もあり、現時点では需要の戻りは芳しくないと業界からは聞いています。今後の旅行動向を注視しながら、関係業界の皆さんの意見をよく伺い、議論を重ねながら回復に取り組んでいきたいと思っています。

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