地域に分け入るJAL社員たち~鹿児島県編~

  • 2022年8月29日

鹿児島県南さつま市

産業おこし部 観光交流課 坂本高昭さん

千葉県出身。2000年JALセールス入社。国内線・国際線の法人セールスを担当した後、法人向け国内出張システム(JALオンライン)の企画運営や本社システム部門にて基幹旅客システムの刷新プロジェクトに従事。2019年からは販売部門に戻り、長崎支店にてセールス活動のほか地域貢献事業や産学連携などを担当しました。

2021年4月より鹿児島県南さつま市観光交流課へ出向し、「観光プロモーション」と「着地型観光商品開発」など南さつま市の認知度向上のための情報発信、魅力度向上の業務に取り組んでいます。

-住んでみて初めて知った地域の特色や、お薦めの観光素材はありますか。

 薩摩半島南西端に位置し、きれいな海と緑に囲まれた南さつま市は、日本三大砂丘の「吹上浜」、日本遺産「加世田麓」の武家屋敷や東シナ海に沈む美しい夕日など豊かな自然に育まれた歴史と景観のまちです。海岸線を車で走るのも最高ですが自転車がおすすめです。南さつま市は自転車を活用した街づくりに取り組んでおり、子供からお年寄りまで楽しめる豊富なレンタサイクルと複数のサイクリングコースが整備され、本格的なサイクリスト向けコースから、歴史散策、カフェ巡りや里山サイクリングコースなど、手軽に五感で自然を感じながら観光することができます。

東シナ海に沈む夕日(南さつま市亀ヶ丘)

レンタサイクルで武家屋敷を歴史散策

-出向して最も解決したいと感じた課題は何でしょうか。

 南さつま市には温暖な気候を生かし生産される農作物と三方を海に囲まれ豊かな漁場から獲れる新鮮な海産物など豊富な食材に恵まれ、自然景観や歴史的な観光資源がありますが、短時間の通過観光が多くを占めています。旅の目的地となる南さつま市ならではの体験メニュー構築と、ターゲットを定めた能動的な情報発信、旅行会社と連携した旅行商品化による販路拡大と恒常的な誘客を図り、地域内消費の拡大に今年度取り組んでいます。

産業おこし部 観光交流課課長 山下秀紀さん

1986年に旧笠沙町役場に入庁。様々な業務を経験し、2005年の市町村合併により南さつま市となった後は、教育、福祉、介護、観光の業務に携わり、2021年4月から現在の職に着任しました。

本市は、観光の柱として「食と体験」を掲げて取り組んでいますが、今後は具体的に実践していくための戦略を立てて取り組む必要があります。コロナ禍による逆風の中ではありますが、来るべき時に備えて準備を怠らないよう、職員と協力して進めていきたいと考えています。

-観光資源やお薦めの食、特産品などをご紹介ください。

 南さつま市は鹿児島県薩摩半島の南西部に位置し、東シナ海に面する海岸線は、西部は全長47kmに及ぶ吹上浜を形成し、南西部は変化に富んだリアス海岸が続いており、様々な海岸線の景観をご覧いただけます。観光資源として大きな役割を果たしている「吹上浜砂の祭典」は、1987年に日本で初めて開催した砂のイベントとして、これまで34年間、本市の知名度アップや交流促進、観光振興に寄与しています。

日本三津の1つに数えられる歴史的港町「坊津」

吹上浜砂の祭典では大小さまざま芸術的な砂像が並びます

 特産品としては、まずは焼酎。黒瀬杜氏と阿多杜氏のルーツを持つ本市は、市内に7つの焼酎蔵が存在しており、蔵ごとの特徴のある焼酎をお楽しみいただけます。また、本市が誇る四季折々の豊富な農産物や海産物も是非ご堪能ください。

-今後の需要回復も見据えて、コロナ後はどのようなターゲットにどのような商品・素材を紹介していきたいですか。

 コロナ禍もあり旅行形態が少人数化している現状ではありますが、本市の観光の柱とする「食と体験」を最大限に活かすためには、修学旅行やスポーツ合宿といった団体旅行の誘致の必要性を感じています。特に修学旅行においては県内及び隣県の小規模校をターゲットに、ホテル・旅館での受け入れに向けて、市内ホテル・旅館と連携しながら体制づくりを図っていきたいと考えています。併せてスポーツ合宿においても、合宿補助金の充実とプロ選手でも受け入れ可能な施設管理を強化し、スポーツエージェント等へセールスを行っていきたいと考えています。