ユナイテッド航空副社長が日本路線の戦略説明、グアム線増便に自信、入国制限緩和に期待

  • 2022年8月3日

(左から)UA日本・ミクロネシア地区営業担当支社長の高橋亨氏、国際路線営業担当副社長のマセル・フークス氏

 ユナイテッド航空(UA)から国際路線営業担当副社長のマセル・フークス氏がこのほど来日し、業界紙向けのグループインタビューで日本路線の戦略や今後の見通しを説明した。同氏は来日について「コロナ後やっとサービスを再開させる状況が近づいてきており、そのために来日した」と説明。今年の夏に再開・増便するグアム線について「ずっと海外旅行をしていない日本人が海外に行くときに、簡単に行きやすいのが家族や3世代で楽しく過ごせる近いグアム」と語り、「グアムは一番早く多くの人が行ける、トップバッターの海外旅行先になるのでは」と期待を示した。

 UAはこの夏、日本/グアム線の便数を大幅に増やしており、7月1日から関空/グアム線を週3便で再開。8月1日からは中部/グアム線を週2便で再開し、成田/グアム線を1日3便に増便した。8月4日からは福岡/グアム線を週2便で再開する。使用機材はいずれもボーイングB737-800型機で、座席数はビジネスクラス16席、エコノミークラス150席の計166席。これにより、日本/グアム線は週28便運航することになる。

 急速な増便にも見えるが、フークス氏は「コロナ前は週52便飛んでおり、米国や日本の観光客、軍関係や沖縄関係などのたくさんの需要はあった。再開や増便は十分に可能だと思っている」と自信を示した。今回の来日で福岡や名古屋、大阪の旅行会社とミーティングを実施しており、旅行会社からも好感触だという。

 さらに、UAではもともとグアムをハブ空港の1つと位置付けているとし、グアム以遠のサイパンやパラオなどへの需要にも期待できるとした。貨物需要などを踏まえれば「十分に採算がとれる」との考えだ。

キャンペーンロゴ

 加えて、フークス氏はグアム政府観光局(GVB)が航空会社や旅行会社などと共に実施中の「GOGO GUAMキャンペーン」についても言及。日本/グアム路線就航55周年を記念したもので、UAとしては「プロモーションを進めているため現実的な需要を期待しており、それは見えてきた」との考え。参加した旅行会社も効果を実感しているという。今後もGVBや旅行会社とともに、グアムのアクセスのしやすさや、ホテルなど4ヶ所で無料PCR検査が受けられるといった利便性、安全性などを引き続きプロモーションしていく考えだ。

9月に成田/サイパン線再開、ダイバーなどの需要に期待

 UAは9月1日から成田/サイパン線を週3便で再開する。機材はグアム線と同じB737-800型機。フークス氏は「ユナイテッド航空が日本/マリアナ間を結ぶ唯一の航空会社となる」と独自性を強調。UAは現在サイパンへはグアム/サイパン線を運航しており、日本人や米国人などグアム経由でサイパンを訪れる需要は一定程度あるとし、直行便を就航することで既存路線を補完する考えを語った。

 サイパンについては、先ごろ視察に訪れたというUA日本・ミクロネシア地区営業担当支社長の高橋亨氏も、「ダイビングスポットや、ゴルファーにとって魅力的な海を感じられるゴルフコースもある。青い空と海を見ながらゴルフができるのはサイパンならではの魅力」とコメント。「美しい海や自然などの魅力を日本市場に訴求し、サイパン線を成功させていきたい」と意欲を述べた。

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※訂正案内(編集部 2022年8月7日12時20分)
訂正箇所:第2段落第1文
誤:…7月1日から関空/グアム線を週3便に増便。

正:…7月1日から関空/グアム線を週3便で再開。
お詫びして訂正いたします。