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ユナイテッド航空副社長が日本路線の戦略説明、グアム線増便に自信、入国制限緩和に期待

  • 2022年8月3日

太平洋路線はコロナ前の50%まで回復、日本の入国制限緩和に期待

UA国際路線営業担当副社長のマセル・フークス氏

 フークス氏は太平洋路線についても説明。今後の増便などは「非常に前向きに考えており、一刻でも早く全てのサービスをコロナ前のように提供できる日が来ることを望んている」と語りながらも「需要を非常に注視しながら一つ一つのステップを進めていきたい」と慎重な姿勢も示した。

 太平洋路線は8月1日時点で羽田/シカゴ、サンフランシスコ線と成田/サンフランシスコ、ニューアーク、ロサンゼルス、ヒューストン線を合わせて週39便運航してるところ。座席供給量は有効座席マイル(ASM)ベースでコロナ前の50%まで回復し、週1万人分相当の座席を提供しているという。同氏は太平洋路線は貨物需要が好調のほか、日本/米国間の旅客需要は低迷しているものの、同じスターアライアンス加盟会社の全日空(ANA)との協業で米国/成田/東南アジア間の需要の取り込みができていることを説明した。

 フークス氏によれば米国内の需要が2019年レベルに回復しており、米国/中南米や南米、北欧路線などについては新規路線の就航や増便が続いているところ。ただし太平洋路線については昨今のコロナの感染者数の増加に加え、日本政府の入国制限、具体的には入国時の72時間前のPCR検査や訪日外国人のビザ取得、パッケージツアーに限定された訪日旅行、入国者数1日2万人の制限が「大きな壁」であるとした。

 その上で「入国制限がある限り我々の全ての可能性を実現することができない。感染者数が増加したとしても、他の国々と同じように政府には少しでも早く制限を緩和・撤廃していただきたい」と主張。オーストラリアでは入国制限を緩和したことで需要が急速に高まったことを例に挙げ、「厳しい入国制限の撤廃は期待できないが、少しずつ緩和していくだろう。今後数週間のうちに緩和されることを期待している」と希望を述べた。

 このほか、フークス氏は顧客向けのサービスの拡充についても説明。機材については「ユナイテッド・ポラリス」の新シートを日本路線に順次導入しており、現在は90%が導入済み。今年末までにすべての機材に導入予定という。

 ラウンジについては米国内に6ヶ所ある上級顧客向けの「ユナイテッド ポラリス ラウンジ」を全て再開したほか、6月にはニューアークに新しく「ユナイテッドクラブラウンジ」を開業した。このほか、コロナ禍でも技術投資を進めており、空港でQRコードをスキャンすると空港職員と電話やテキスト、ビデオを使い非接触で会話できる「エージェントオンデマンド」サービスを紹介。すでに100万人以上の乗客が利用しているという。このほか、乗り継ぎ時間が限られた乗客に対し、AIを活用して接続便の出発時間を調整できる「コネクション・セーバー」も紹介した。

※訂正案内(編集部 2022年8月4日14時20分)
訂正箇所:第4段落第2文
誤:今後数週間のうちに緩和してほしい

正:今後数週間のうちに緩和されることを期待している

訂正箇所:第5段落第1文
誤:機材については「ユナイテッド・ポラリス」を

正:機材については「ユナイテッド・ポラリス」の新シートを

お詫びして訂正いたします。