鹿児島から世界へ、第三国にも斬り込む南薩観光の拡大戦略

貸切バス3台から旅行業へ、訪日でも成果
「まずは走って考える」菊永社長のグローカル展開

-日本国内でのインバウンド事業については、どのように展開しますか

菊永氏 菊永 ニュージーランドで投入するラグジュアリーバスと同じ車両を、日本でも使用したいと考えている。対象は国内外の富裕層で、日本人にも訪日外国人にも喜んでいただけるサービスを提供したいが、特に訪日客に期待している。

 今年のラグビーワールドカップ日本大会では、ヨーロッパやオーストラリアなどの富裕層が長期間に渡って観戦旅行を楽しむはずで、ラグジュアリーバスの需要はあるはずだ。その後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて取り組むためにも、力を入れていきたい。

 また、各地でラグビーを観戦する訪日客のために、シートインコーチ形式で日本列島を縦断できるサービスを実現したい。当社はすでに県外のバス会社5社と「ジャパン・コーストライン・アライアンス」を結成しているが、さらに多くの会社と組むことを考えている。

 昨年にロンドンやニューヨーク、シドニーなどでセールス行脚をした際に計画を説明したところ、非常に評判が良く、その後も問い合わせが多い。アライアンスを組む国内のバス会社にとっても、車両や座席の有効活用につながるはずだ。販売に関してはBtoBまたはBtoCでの展開を計画している。 

-積極的な成長戦略を推進されていますが、上場もお考えですか

菊永 あくまでも頭のなかでイメージしている段階だが「25年頃にはジャスダックやマザーズに上場したい」という思いはある。先ほど述べたように、バス事業はエンドレスな投資が必要な分野なので、上場すれば市場から資金を調達することができる。

 ただし、上場には相当なエネルギーとコストが必要なので、資金だけを考えるなら、ファンドから調達したり、地元の金融機関の融資を受けたりする選択肢もある。一方で、優秀な人材を確保することなどを考慮すれば「やはり上場が必要」という考え方もある。上場については総合的なバランスを見ながら、慎重に検討していきたい。

-ありがとうございました