日本旅行・グローバルビジネストラベルに聞くBTM戦略、企業側の注目増で追い風

  • 2019年2月5日

付加価値と効率化で訴求
OBTも積極的に提案へ

-日系企業に対して今後どのように事業を展開していきますか

内山 日系企業のあいだでもBTMへの関心が高まっているが、そのきっかけとなっているのが、クラウド型の出張・経費管理サービスを提供しているコンカーの存在だ。コンカーのセミナーなどに多くの企業が参加しており、同社のサービスの導入を検討する企業も増えた。

 日系企業は、従来は出張者それぞれが安い旅行会社やOTAで航空券やホテルを購入し、後で精算するというケースが多かったが、今はデータ一元化による危機管理や経費管理の意識が強くなっている。GBT NTAでも新しい取引先だけでなく、すでに取引のある企業からも「これまでと違う観点で出張管理を見直したい」という相談が増えている。

 また、コンカーの経費管理システム導入にともない、企業から旅行会社を選ぶためのコンペティションの案内をいただくケースも増えており、GBT NTAにとって非常に良い機会となっている。

 GBT NTAとしては、BTMでのコンサルティング力や、旅行者などのデータの提供によって業務の見直しができる点などをアピールし、価格だけではなく出張の最適管理も含め総合的に選んでいただけるよう提案をしている。

 現在のところGBT NTAの事業のうち約3分の2がBTM。BTMへの関心は高まっているが、まだ導入の流れは堰を切るところまでには至っていない。しかし、近い将来そうなるだろう。

-差別化のポイントは

内山 まずコンペティションにともない提出するRFP(提案依頼書)で評価されるのは、GBT NTA独自の危機管理ツールとコンサルティング力。13年の日系企業が犠牲になったアルジェリアでのテロや15年以降のヨーロッパでのテロにより、日系企業の危機管理意識が高まり、社会的責任として対応しなければいけないという環境になってきた。

 そのなかで、危機管理ツール「EXPERT CARE」では、管理者側が出張者の旅行中の行動をタイムリーに把握することができるだけでなく、出張者本人の了解のもと、携帯電話などのGPS機能を使った位置検索も可能だ。

 これにより、たとえばニューヨークが大雪に見舞われた場合、管理者は出張者に対し、アプリなどを活用して「延泊」「すぐに帰国」「何もしなくていい」から今後の動き方を選べるように一斉に問い合わせすることができる。全世界の担当者が同じ情報をベースにコミュニケーションができるツールとして、特にグローバル契約企業で利用が多く、新規導入も進んでいる。