インタビュー:沖縄観光コンベンションビューロー会長の平良氏
1500万人へ向け「オール沖縄」で
人材育成など観光の地位向上に意欲
-ホテル経営をバックボーンとされているわけですが、民泊やシェアリングエコノミーについてはどのようにお考えでしょうか
平良 まず、法的な問題の有無は安心安全に関わる話であり、民泊業者には基本的に宿泊業の許可取得を訴えていく。
とはいえシェアリングエコノミーは、ウーバーに代表される二次交通を含めて勢いを止められるものではない。止めようとするのではなく、ルール作りが重要だ。観光は全体でチームであり、排除するのではなく仲間に入れていきたい。排除ではなく奨励だ。
-民泊業者側の出方次第とはならないでしょうか
平良 呼びかけに応じないところもあるかもしれないが、根気よく働きかけていく。罰則を設けるようなことは望ましくない。そうすると必ずそこに別のグレーゾーンが生まれる。
そもそも、これからめざす入域観光客数を考えれば、場合によっては年間で延べ6000万人のお客様が県内に滞留することになっていく。二次交通を含めてオール沖縄で取り組まなければ、とてもではないが満足度を上げることはできない。また、世界の流れについていかなければ世界レベルの観光地にはなれない。
民泊の受付などの代行サービスを、地域の観光協会がプラットフォームとして提供してもいい。こうした地域連携は、他の都道府県に比べるとやりやすい方なのではないか。
また、従来型の宿泊施設にとって脅威のように捉えられもするが、実際には、顧客が宿泊施設を選ぶように施設側が顧客ターゲットを絞ってしっかりと獲得することができる時代だ。自分のパイが奪われるのではなく、自分が求めるパイが得られるというような発想に切り替えていきたい。
-旅行会社との関係はどのようにご覧になっていますか
平良 今までの、旅行会社が色々なホテルの客室を確保してその中から販売するといった日本の観光の仕組みは、世界に比べると特殊だった。そういった旅行会社と受入施設との関係は、車の両輪といいながら両輪になっていない問題がある。
この問題に大きく影響をあたえるのがウェブの発達だ。ウェブに取り組んだところは自前で売り切れる。色々な客室の特徴を一つひとつ個別に売ることもできる。リアルはなかなかそれができない。
一方、リアルエージェントのノウハウや信用は非常に確固たるものがある。着地型商品的なものを含めて、そこは餅は餅屋でもっと磨いていければいい。