セブパシフィック、マニラ以遠の需要取り込みへ-成田、潜在需要に期待
▽関空線、増便後も強調-成田線、LCCの特徴いかし差別化を
5Jは12月19日から関空/マニラ線を増便し、デイリーで運航中だ。エア・システムによると、増便前のロードファクターは80%前後だったが、増便後は年末年始の需要を取り込んだこともあり約90%で推移。イオング氏は増便は需要の強さを受けたものとし、増便後も「十分需要を取り込めている」と語った。
関空線の在日フィリピン人の需要を含む日本発、フィリピン発の比率は5対5。レジャーとビジネスの割合も同程度とし、イオング氏は成田線、中部線も同様の比率を見込む。ただし、成田線は「渡航者が増えれば日本発の需要が増える。ポテンシャルはある」という。ビジネスでは時間調整がある程度可能な業務渡航需要を、また、レジャーでは運賃の安さからファーストタイマーが取り込めるとの考え。
また、中部線は、名古屋に約2万8000人の在日フィリピン人がいることから、フィリピンへの帰省やフィリピンからの家族の訪問需要なども見込んでいると話した。
日本/フィリピン間は昨年9月に開催した両国間の航空協議でオープンスカイ化と羽田就航が可能になっており、これを受けてフィリピン航空(PR)が成田/マニラ線、セブ線を増便し、3月30日から羽田/マニラ線にダブルデイリーで就航すると発表。全日空も羽田/マニラ線を開設する。イオング氏は他社との競合について「我々はLCCであるということですでに差別化されている」と説明。5Jの運賃は他FSCよりも最大で60%安いとアピールした。
さらに、5Jは機内でゲームをおこなうなど独自のサービスを展開。イオング氏は「フィリピンが楽しい場所であるということを我々の機内から体験してもらいたい」と語った。
成田、中部線の運航機材はエアバスA320型機。5Jでは現在A319型機、A320型機、A330型機などを合わせて48機保有しており、2021年までにシャークレット付きA320型機を14機、A321neo型機を30機、A330型機を4機受領する予定だ。