JATA、価値創造に向け本腰、特別委員会が中間答申
▽スピード感・実行力も重視、会員各社の積極的参加を要請
中間答申は、基本政策として掲げた7項目について具体的な施策とアクションプランを打ち出したことも特徴。アクションプランでは取り組む主体、現状の脅威と機会、問題点、取り組みの方向性などを細かく記述。例えば経営基盤の安定では、航空関連諸問題として燃油サーチャージ、チャーター活性化、LCCへの対応などを取り上げたほか、旅行業法制度の検討と提言、魅力ある業界づくりと優秀な人材の確保も盛り込んだ。
こうしたアクションプランに基づいてスピード感をもって取り組んでいくことも重視し、燃油サーチャージについてはすでに5月24日に観光庁へ要望を実施。また、旅行業法についても昨年9月に検討部会を設置し、今年10月頃の方向性の提示をめざしている。LCCについても合計8回の連続セミナーを4月に開始済みだ。
また、長期課題に位置づけた「若者の旅行拡大」でも、13年度中に3つの取り組みを実施。30代前後の業界関係者が新しい価値を提供する旅行業ビジネスモデルの研究をおこなう「若者トラベル研究会」を立ち上げるほか、学生などに旅行業界を知ってもらうセミナーなどを開催。さらに、若年時の旅行経験による効果を心理学などの観点から科学的に検証するためのワーキングチームも立ち上げる。
こうした取り組みをすること自体が価値創造の端緒となり、「旅行業の社会的地位の向上につながる」(田川氏)との考えで、政策の提言だけでなくJATAの組織や事務局の強化にも取り組み、実行力を増していく方針。さらに、「JATA執行部だけでなく、会員全体に共通した問題」(菊間氏)、「オールJATAでやっていくことが大事」であるとの認識で、会員各社の積極的な参加を呼びかけていく。
例えば旅行業法などについての検討も、菊間氏は「情報を積極的にお渡しして、一緒に検討していくという形で進めなくてはならない」と強調。その他の点についても、会員各社で業態も異なることから様々な意見や要望があるはずで、「そういった声はとても大事であり、事務局に伝えて欲しい」と訴えかけた。