トップインタビュー:デルタ航空日本支社長ジェフリー・バーニアー氏
-日系航空会社がLCC子会社の設立を発表するなど、日本でもLCCの動きが活発化しています。LCCとの競合や市場への影響については、どのように考えていますか
バーニアー 新たに設立されるLCCに関しては、「健闘をお祈りします」と述べておく。もちろん、すでに厳しい競争にさらされている国際線はともかく、日本の国内線はLCCの登場により価格も下がり旅行者にも歓迎されるだろう。
しかし、DLとの関係でいえば、LCCの「ローコスト」に対してDLも継続的にコスト競争力を強化してきており、その一方で、プロダクトやサービスに積極的な投資を続けている。同様にブランド力、マイレージプログラム、ネットワークなどの点でも異なる戦略をとっておりLCCと競合するとは考えていない。
日本の航空会社も、子会社でLCCを設立するより、本体のコスト構造を改革したほうが長期的には良いのではないだろうか。空港使用料などが高いままの日本で、どうやってLCCを実現できるのかも疑問だ。
-日本市場における旅行会社との関係については、どのように考えますか
バーニアー 日本の消費者は価格志向というより、「価格に対する価値」を重視していると思う。競争力のある価格は重要だが、価値を認められるだけの利便性やサービスを提供すれば、日本の旅行者は相応の対価を払うはずだ。航空会社も収益がなければ路線を維持できないし、やみくもな価格競争は望んでいない。
そのような環境下で、消費者に対してさまざまなアプローチ、チャンネルを持つ旅行会社が非常に重要なことは言うまでもない。これまで通り旅行会社とはウィン・ウィンの関係を維持していきたい。
-ありがとうございました