ブームの兆し、「産業遺産」(3)赤レンガ倉庫(神奈川県横浜市)
「産業遺産」の活用として、あるがままに保存するだけでなく、再生して新たな形に生まれ変わらせる方法もある。古いものに対する郷愁を活かしつつ、中身は新しく。そんな試みで最も成功したのが、横浜の「赤レンガ倉庫」だろう。現在、年間入場者数が500万人を超える、横浜港周辺でも有数の人気スポットとなっている。幕末に鎖国が解かれて以来、日本で最も重要な貿易港として歴史を重ねてきた横浜港周辺には、古い建物が数多く残っている。関東大震災以前の建物は残念ながらほとんどないが、震災後の大正末期から昭和初期に建てられた建物...