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「世界水準の出張を日本へ」業務渡航大手FCMの日本法人トップが見る日本市場の可能性

-24時間体制の「カスタマーサクセス・チーム」では、どのようなサポートを提供するのでしょうか。

白石 現在、夜間の対応についてはアウトソースしていますが、将来的には自社スタッフで365日、航空券の発券・変更・取り消しやホテル手配といった、出張に関わる手配サービス全般を行っていく予定です。日中は日本の手配担当者が、夜間はアジア内の拠点の日本語を話すスタッフがサポートする体制です。

-ビジネストラベルマネジメント(BTM)では競合も多いですが、他社とはどのように差別化していきますか。

白石 FCMはテクノロジーカンパニーとして、出張前から出張後まで、全行程をシームレスに管理できるツールを持っています。また、FCMのプラットフォームでは、お客様が自社の出張者数や出張金額の推移、出張先、ガバナンスの状況などを自由に見ることができます。さらに、予約記録と連動した危機管理情報の提供も行っています。出張のトータルパッケージを通してお客様により良いトラベルエクスペリエンスを提供することが、FCMの差別化だと考えています。

-提供するツールの機能について具体的に教えてください。

白石 お話しした通り、FCMのプラットフォームは、予約から出張の承認、レポート、危機管理まで網羅しています。出張先からは、スマートフォンのアプリを通して、予約の変更や安全情報の取得が可能です。現状は英語のみですが、チャット機能もあり、将来的には日本語への対応も予定しています。

アプリの旅程画面(イメージ)では、旅行会社を介さずに手配した内容も旅程に追加し、一括で管理することができる。また、出張時のCO2排出量も確認可能だ。FCMプラットフォームの日本語版は2022年下期に試験段階に入り、2023年にローンチ予定。

 安全管理については、飛行機の遅延や災害などの情報はもちろんですが、危機管理会社と提携により、例えば滞在先の付近で事件が起きた場合、平均40分から50分程度で出張者に通知が入ります。こちらも現状は英語のみですが、今後は日本語化していく予定です。

 企業の人事・総務部門でも、危機管理への意識がこれまで以上に高まっています。弊社のシステムは全て旅程で管理されているので、「今日この地点にいる社員は誰か」というデータがすぐに共有でき、これがベネフィットの1つになっています。

 導入にあたっては、「システム使用料」という名目での費用は徴収せず、トランザクションごとの費用でカバーする仕組みです。出張ポリシーや社員のプロファイルの設定などにリードタイムはかかりますが、システム同士を繋ぐという形態ではないので、最初に導入していただくハードルは高くないと思います。

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