地域に分け入るJAL社員たち~沖縄県編~

  • 2022年6月16日

稀有な自然や特有の歴史文化を深く体験できる商品を
今年は「沖縄全島エイサー祭り」も開催

-出向して最も解決したいと感じた課題は何でしょうか。

 那覇空港、下地島空港そして新石垣空港には7つの国・地域から国際線が就航していましたが、新型コロナウイルスの影響で2020年3月から全便運休が続いています。しかし岸田総理のご発言にもある通り、6月中に那覇空港の国際線受入の再開準備が進んでいます。国際線の運航再開には航空局、CIQ、空港ビル、航空会社、グランドハンドリング会社、沖縄県等、多くの関係者がいますが、関係者とのベクトルを合せ、1日でも早い国際線再開に向け取り組んでいます。

那覇空港

曽我部さん(左)と上地さん(右)

海外・MICE事業部 海外プロモーション課長 上地公代さん

沖縄生まれの沖縄育ち。地元ラジオ局で7年半務めた後、2001年9月からOCVBに入職。直後の9月11日に米国同時多発テロ事件が起こり、沖縄は風評被害によりかつてない観光危機に陥りました。急遽編成された緊急時観光客対策本部で全国を巡る「だいじょうぶさ~沖縄」キャンペーンを経験。V字回復を遂げ、躍進する沖縄観光を見つめつつ、受入推進室、コンベンション振興チーム、那覇空港観光案内所、沖縄コンベンションセンター、MICE推進課等を経て、現在は海外プロモーション課長を務めています。

-観光資源やお薦めの食、特産品などをご紹介ください。
沖縄市が舞台の映画「ミラクルシティコザ」は、シアタードーナツ・オキナワ(~7/6)、JAZZ BAR すけあくろ(6/24~6/26)、よしもと南の島パニパニシネマ(7/8~7/21)など県内各所で上映

 太鼓の音に「ちむどんどん」して外に飛び出さずにいられないファンも多いエイサー。コロナ禍で青年会が活動を自粛し、風物詩の「沖縄全島エイサー祭り」も開催されず残念でしたが、今年は8月19日から21日に開催予定です。2年お待たせした分、思いっきり楽しんでいただきたいです。

 会場となる沖縄市は「音楽の街」「エンターテイメントの街」としても知られます。70年代から80年代にかけて、ロックを中心にフォーク、JAZZ、沖縄民謡まで、多様な音楽カルチャーが咲き誇りました。桐谷健太さん主演で70年代の沖縄市=コザを舞台にした映画「ミラクルシティコザ」にその一端が描かれています。

 ディープな雰囲気は多くの人を惹きつけ、コザインフォメーションセンターではその奥深い魅力を手軽に楽しめるまち歩きツアーを提供しています。

-地域が抱える課題や目標、それに対する取り組みについて教えてください。またその課題のなかで、JALからの出向者の方に期待することは何でしょうか。

 路線誘致や航空会社との関係性の再構築が緊急かつ最大のミッションです。熾烈な国内外との競争にさらされる今この時に、JALから曽我部さんというプロが出向してきてくれためぐり合わせに心から感謝しています!

 国際線再開への取り組みと同時に、疲弊した県内観光事業者の課題に寄り添い、インバウンド受入体制を再整備することも重要です。沖縄県は2006年度から「観光学習教材」を作成、県内の全ての小学校4年生に配布し、リーディング産業である観光の重要性と、地元沖縄を誇り、宝のように大事に思う心を伝えてきました。観光にとって逆境といえる今こそ、県民とこうした「思い」を共有することの大切さを実感しています。