地域に分け入るJAL社員たち~沖縄県編~

  • 2022年6月16日

稀有な自然や特有の歴史文化を深く体験できる商品を
今年は「沖縄全島エイサー祭り」も開催

-地域が抱える課題や目標、それに対する取り組みについて教えてください。またその課題のなかで、JALからの出向者の方に期待することは何でしょうか。

 観光事業者は非常に厳しい経営状況と人材不足に陥っており、今後の受入体制が大きな課題です。また地域も、コロナ禍でオーバーツーリズムが落ち着いたなか、地域に恩恵があり住民が幸せを感じられる観光でなければならないという気持ちが大きくなったように感じます。受入体制としては、業界と一体となり観光復興に努めること、地域観光については、広域連携DMOとしてこれまでよりも地域に近い存在となれるような業務をしていきたいと考えています。

 JTAは、沖縄の島々、また沖縄と本土を結ぶ「うちなーの翼」です。沖縄の魅力の発信やSDGsへの取り組みなど、OCVBが学ぶべきことも数多くあると思っています。航空会社そして高安さんのこれまでの経験で、OCVBの組織運営・沖縄観光の振興に繋がることをどんどん提案してほしいです。

-今後の需要回復を見据え、力を入れていく観光素材や、観光事業者や他の自治体と連携して取り組みたいことがあれば教えてください。

 人や社会・環境などに優しい観光「エシカルトラベル」を推進していきたいです。OCVBでは特集ページを開設し、いくつかのテーマに沿ってエシカルトラベルを紹介しています。消費トレンドは時代とともに変化していますが、特に震災以降は「イミ消費」、自分の消費行動を通して他者や社会、未来へいい影響を与えたいという傾向があると言われています。そのなかで、エシカルトラベルは今後の沖縄観光にもフィットし、インバウンド・国内観光客を問わないコンテンツだと思います。

 既にエシカルトラベルに取り組んでいる地域や施設も多いと思います。県内なら「こういうのやってるよ!」と教えていただきたいですし、県外なら「このテーマで沖縄と連携して何かできないか」という提案があると嬉しいです。

エシカルトラベル特集ページ

 長引くコロナ禍で、観光は悪という印象がついてしまい、特に観光がリーディング産業である沖縄は非常に厳しい状況です。しかし、「観光=光を観る」を忘れず、人や社会・環境などに優しい観光を推進することで、改めて、観光っていいな、大切だなという気持ちを全国のみなさまに持っていただけるよう、日本全体で頑張っていけたらいいなと思います。

海外・MICE事業部 海外プロモーション課 曽我部亨さん

東京都出身。1992年旧日本エアシステムに入社。羽田空港カウンターに配属を皮切りに、国内旅行会社、法人営業、マーケティング企画、国内線座席管理、インバウンドプロモーション業務を担当しました。

2020年4月からOCVBに出向し、国際線路線誘致および路線誘致後の航空支援プログラムの策定、航空会社との連携プロモーション事業を担当しています。

-住んでみて初めて知った地域の特色や、お薦めの観光素材はありますか。

 沖縄に住んで感じたことは、沖縄の人々のおおらかさと気さくさです。沖縄の方言の「ゆいまーる」は「助け合い」という意味ですが、近所の人も仕事の仲間も、いつも周りの人を気遣う心配りの気持ちを感じます。そして「ゆんたく」という方言は「お話」という意味。沖縄の人々は話すことが大好きです。初対面でも「ゆんたく」に参加できますので、沖縄に来る際には是非、地元の方との「ゆんたく」を体験して欲しいです。

ゆんたく

 また、今年はNHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」では沖縄が舞台となり、5月には本土復帰50周年を迎え、10月には第7回「世界のウチナーンチュ大会」が開催されるなど、色々な行事が目白押しの1年です。

次ページ >>> 国際線の受入再開に向けて