求人情報

地域に分け入るJAL社員たち~沖縄県編~

  • 2022年6月16日

稀有な自然や特有の歴史文化を深く体験できる商品を
今年は「沖縄全島エイサー祭り」も開催

 客室乗務員や業務企画職など、幅広い職種の社員が各都道府県の自治体等に出向している日本航空(JAL)。シリーズ「地域に分け入るJAL社員たち」では、出向者と自治体の担当者、それぞれの目線で地域の魅力や課題、相互への期待などを語っていただくことを通して、ポストコロナに向けた地域創生を考えていく。

 5月に本土復帰50年を迎え、今シーズンのNHK連続テレビ小説の舞台にもなり、これまで以上に注目が集まる沖縄。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)では、コロナ禍で深刻な経営状況と人材不足が続く沖縄の観光産業の復活に向け、地域社会に寄り添う新たな観光の形を模索している。

西表島で人気の早朝リトリートツアー

沖縄観光コンベンションビューロー

高安さん(左)と、課長の照屋美奈子さん(右)

企画・施設事業部企画課 高安壮太さん

2006年4月に日本トランスオーシャン航空(JTA)へ入社し、運航管理部門にてディスパッチャー業務を8年、人財部門にて人事採用関連業務を3年半、販売部門で営業セールスを4年4ヶ月担当しました。

2022年4月よりOCVBへ出向中で、現在は主に入域観光客数予測と賛助会員向けのOCVB News作成業務を担当しています。

-住んでみて初めて知った地域の特色や、お薦めの観光素材はありますか。

 沖縄本島北部の「やんばる」と八重山諸島の「西表島」です。やんばると西表島は昨年7月に世界自然遺産に登録されました。天然記念物のヤンバルクイナやイリオモテヤマネコに代表されるように多種多様で豊かな自然を有しています。沖縄といえば海、というイメージが強いですが、世界自然遺産をじっくり味わうことをおすすめします。

やんばる国立公園 ©OCVB

ヤンバルクイナ ©OCVB

 また、今年は沖縄県が日本復帰50年の節目を迎え、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」の放映など、県が大変注目される年に当たります。琉球料理、泡盛、空手、組踊などの沖縄特有の歴史文化を各メディアで目にする機会も多いかと存じますので、沖縄の歴史文化にも興味を持ってもらえると大変嬉しいです。

-出向して最も解決したいと感じた課題は何でしょうか。

 沖縄観光は順調に発展を遂げ、2018年度には入域観光客数1000万人超、観光収入7000億円超を達成しましたが、新型コロナウイルスの影響で観光関連事業者は大きな打撃を受けました。旅行形態や価値観の変化などの旅行者ニーズを踏まえ、滞在型の観光を推進していきます。具体的にはサステナブルツーリズムやレスポンシブルツーリズムなど、環境保全と観光振興の両立を推進し、旅行者の満足度を高め、長期滞在に繋がるような沖縄観光の新しいカタチを創っていきます。

-今後の需要回復も見据えて、コロナ後はどのようなターゲットにどのような商品・素材を紹介していきたいですか。

 特にインバウンド旅行者をターゲットにアドベンチャーツーリズム(以下AT)を沖縄観光の新しいカタチとして定着させたいです。ATは「自然」「文化交流」「アクティビティ」の3要素のうち2つ以上が主目的である旅行とされ、従来の旅行産業の概念にとどまらず、地域の中小事業者と地域住民に経済・社会的な観点でのサステナブルな効果を残し、地域の自然や文化を保護・活性化することに貢献できる旅行形態です。量から質への転換に資する取り組みとして注目しています。旅行者が自らの足でじっくりと歩き、五感を使って地域ストーリーを感じることで、その土地でしか味わえない本物の体験を楽しめます。定番のマリンアクティビティだけではなく、やんばるや西表島などの稀有な自然や特有の歴史文化を深く体験できるような商品を造成していきます。

 今後は観光事業者や関係自治体とともに、これらの新しい観光を推進していきたいです。観光関連産業は多岐にわたるため、縦の連携だけではなく横の連携が必須だと考えています。コミュニケーションを密にし、連携を強化していきます。

西表島で人気のアクティビティスポット、クーラの滝 ©OCVB

照屋さん(左)と高安さん(右) 企画・施設事業部企画課 課長 照屋美奈子さん

2002年入職、2009年受入推進部(人材育成・地域観光協会・観光啓発等)、2012年海外事業部(MICE)、2014年企画総務部(スポーツ)、2016年総務部(理事会評議員会・採用・賛助会員等)、2018年企画・施設事業部 旧海軍司令部壕事業所 兼 沖縄空手会館管理事務所(所長)、2020年より現職。企画課では、観光危機管理事業、DMO関連事業、観光入域客数予測、OCVB News発行等、組織横断的な様々な業務を行っています。

-観光資源やお薦めの食、特産品などをご紹介ください。

 去る5月15日、沖縄本土復帰50周年を迎えたことから、「平和の大切さと本土復帰からこれまでの沖縄のあゆみを知る旅」はどうでしょうか。沖縄県平和祈念資料館や旧海軍司令部壕などで沖縄戦を知り平和の大切さを改めて考える。終戦からアメリカ統治下だった「アメリカ世(ゆー)」を知るべく、博物館を巡る、復帰前からあるレストランで食を楽しむなど。世界平和を強く考えさせられる今だからこそ、沖縄で見えてくるものがあるのではないかと思います。

連続テレビ小説「ちむどんどん」にも出てきたゆし豆腐。あちこーこー(出来立てで熱々)は絶品でお腹も心も満たされます。

次ページ >>> エシカルトラベルを推進