「目指すのは地域ナンバーワンではない」近隣ホテルと一体で広島の活性化へ-リーガロイヤルホテル広島総支配人 室敏幸氏

  • 2022年6月8日

会員や地元市場への働きかけを積極化
異業種とのコラボプランにも次々挑戦

 地元財界有志の強い思いと寄付により1955年に開業した「新広島ホテル」を前身とするリーガロイヤルホテル広島。国内外の賓客を迎えてきた、まさしく広島のランドマーク的なホテルだ。しかし室敏幸総支配人は、ホテルが単独で競争し合うだけでなく、近隣ホテルと協力し合い広島全体を盛り上げる取り組みこそが重要だと話す。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

室氏。インタビューはオンラインで実施した

-総支配人の自己紹介からお願いいたします。

室敏幸氏(以下敬称略) 1964年生まれの57歳。もうすぐ還暦ですが、若い頃は少々やんちゃで勉強もあまり好きではありませんでした。ですから高校を出たら社会人になって自力で稼ごうと決めていました。高校時代から喫茶店のアルバイトをしていたこともあり飲食関係には興味があり、ロイヤルホテルに入社しました。

 入社後はずっと料飲畑でしたが、2007年にリーガロイヤルホテル(大阪)の宿泊部 支配人を務めて以降、リーガロイヤルホテル新居浜の副総支配人、同小倉の副総支配人、同大阪の副総支配人等、料飲以外の仕事を任されることも増えました。広島の総支配人に就任したのは昨年4月です。

-総支配人として感じる、リーガロイヤルホテル広島の最大の売りは何でしょう。

 「食」の素晴らしさです。昔から「食のロイヤル」と言われており、リーガロイヤルホテルグループは食に定評があります。私自身さまざまなホテルで食事をしてきましたが、リーガロイヤルホテル(大阪)の料理はどこにも負けないと自負しています。

 ここ広島でも「食のロイヤル」は健在です。食都、大阪のリーガロイヤルホテルでも腕を振るったシェフが、広島で総料理長として活躍してくれており、利用客の多くの方々からも「リーガは美味しい。さすがだね」とお褒めの言葉を頂戴しています。

-コロナ禍の影響について、ビジネス利用とレジャー利用の比率などに関してどのような変化がありましたか。

 コロナ禍前はレジャーが6割から7割を占めていましたが、コロナ禍で壊滅状態になり、インバウンドもなくなりました。結果的に、コロナ禍前は全体の2割ほどだったビジネス客が大部分になりました。コロナ禍中もビジネス需要がさほど落ち込まなかったのは幸いでした。また、ここへきて感染症への警戒感が薄らいだこともあって、関東、関西からのビジネス需要が上向いています。

 3月の緊急事態宣言解除後は徐々に街にも活気が戻りつつあり、3月中はまだ様子見といった感じでしたが、5月に入りゴールデンウィークを迎えて客足が戻りつつあることを実感しています。

-宿泊日数や滞在のあり方に変化はありますか。

 3月と4月に広島への出張・出向者の利用を見据えて連泊商品を販売したところ、反響がありました。また長期ステイプランも昨年度に続いて販売し、ビジネス需要関連の底上げに貢献しています。ただし一般利用者の宿泊日数などは変化していません。

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