「目指すのは地域ナンバーワンではない」近隣ホテルと一体で広島の活性化へ-リーガロイヤルホテル広島総支配人 室敏幸氏
会員や地元市場への働きかけを積極化
異業種とのコラボプランにも次々挑戦
室 従来、リアルエージェントが募集型企画旅行で送客してくれていたのですが、コロナ禍で催行がままならず、激減してしまいました。緊急事態宣言の3月初旬の解除を前提に、2月からリアルエージェントに営業をかけ、ウィズコロナ、アフターコロナの商品造成をお願いしてきたこともあり、催行件数も徐々に増えてきているのが現状です。
宿泊に関して最も販売割合が多いのはOTAで、OTAのクーポン企画などには極力参加するようにし、戻ってきた需要を逃さずキャッチアップできるよう心掛けています。また毎月1回は宿泊担当者がOTAの担当者とミーティングし、情報交換しています。
自社ホームページでは主として地元客を意識したプランを打ち出し、他企業ともコラボして、ホテル単独では難しいようなプランを模索しつつ企画中です。
室 コロナ禍だから旅行は無理だろうと諦めるのではなく、気持ちを切り替えていただきたいですね。社内にも「気持ちを切り替えてどんどん攻撃的に、攻勢に出よう」と言っています。
岸田総理が1日の入国上限の1万人規制を2万人に緩和するとのニュースも流れました。今後はビジネス客だけでなく、レジャー客の入国規制も緩和の流れです。インバウンドにようやく少し明るい兆しが見え始めたわけです。広島は欧米を中心としたインバウンドが多く、当ホテルも3割程度が欧米からのインバウンドでした。その復活がない限り宿泊需要の本格的な回復もありません。
同時にこれまでは比較的に割合が少なかったアジアからの旅行者の取り込み準備も始めています。欧米市場がまだ戻らないなかで、近場の韓国などへのアプローチも強化するつもりです。
室 昨夏の新会員サービス「リーガメンバーズ」のアプリ導入に伴って、より多彩な会員用特別商品やサービスを発信できるようになりました。昨年度はリーガロイヤルホテル広島としての会員数を約7400名増やすことができ、今年は大きな目標として1万5000名の新規会員獲得を目指しています。実現すれば2年で2万人以上の会員増となります。会員獲得の拡大に伴い施策を講じる考えで、クーポンやキャンペーン情報など会員限定コンテンツの提供や、ホテル利用によるポイント付与により、顧客ロイヤリティを向上させていきます。
次ページ >>> 宿泊プランは若手も交えて試行錯誤