【タイ現地レポート】緩和された入国規制と日本への帰国体験記

  • 2022年5月25日

 世界各国から旅行者が訪れるタイ王国の、コロナ禍の現状をタイ在住の筆者が伝える現地レポート。第6弾の今回は世界中で人の移動の規制が解除され観光業が活発になっている中、現地の最新状況と筆者が実際に日本に帰国した体験についてお伝えします。筆者は昨年11月に三年間勤めた日系企業を退職し、コロナの規制が緩和されたタイ国内を長期間旅行しておりました。規制が大きく解除されましたが、まだ観光で海外に行く際には諸注意が必要ですので、最新情報や私の体験談が少しでもお役に立てれば幸いです。
※この記事は5月23日の情報を基に執筆しています。

パンガン島のビーチ

前回からの感染者の推移

 年末年始にタイでもオミクロン株が流行し始め、前回投稿した2月下旬をピークに4月下旬まで連日新規感染者数が2万人を超えていました。暫く横ばいとなっていましたが、ようやく4月下旬から右肩下がりとなり、5月22日時点では新規感染者数の1週間の平均が5千人を下回っています。オミクロン株の流行はタイでも落ち着いてきているように伺えます。

 タイの人口は日本のおよそ半分で、人口比で比較すると、オミクロン株が日本に上陸した2月上旬は日本の方が圧倒的に感染率が高かったのですが、それ以降は日本とタイは人口の差を考慮するとおおよそ同じ数字で推移していました。しかし4月下旬以降からはタイではオミクロン株の流行が終わりつつあるのに対し、日本ではまた感染者数が増えてきています。

 パンデミックの発生当初は各国によって感染者数にばらつきがありました。2年以上経過し、世界的に見ても各国おおよそ同じくらいの新規感染者数で推移しているように伺えます。今後世界的に人の国外への移動が活発化する傾向を考慮すると、新たに新規株が発生した際は日本もタイも関係なく、世界でほぼ同時に新規感染者数が増え、ほぼ同時に収束することが予想されます。安直な考えではありますが、筆者は日本でもタイでも、おおよそ同じくらいの感染リスクがあると捉えています。それよりも国を問わず都市部もしくは過疎地域なのかということが重要かと思います。確かに新規株の侵入は国外からの人の出入りですが、海外旅行に行くとコロナに感染するという世間のイメージが改善され、心理的にも気軽に海外旅行出来る環境になって欲しいです。

バンコクの歓楽街の昼は昼食を買いに来る会社員で賑わいます


ワクチンの接種状況とブースター接種について

 タイ国内のワクチン接種状況は5月22日時点で2回接種した人が全体の74%、3回目のブースターが39%となっています。3ヵ月前の前回の投稿と比較して、2回接種が4%の上昇でほぼ頭打ち、ブースターは12%上昇しました。日本では2回摂取した人が80%、ブースターは57%となっております。タイは日本と比較するとブースター接種に遅れを取っています。

 筆者は以前勤めていた企業を退職したことから自力で病院に予約を入れ、帰国前にブースターを接種しました。日本大使館のウェブサイトには、日本のパスポートを提示するだけで無償で接種出来る病院をいくつか案内しております。その中からバンコクにあるメドパーク病院が交通のアクセスも良く、大きな病院で外国人への対応も良いとネットで評判が良かったためその病院に決めました。前日にインターネットで予約しましたが、どの日程も予約が空いていました。もしタイ在住者でブースターを接種していない方は是非日本大使館のHPをご確認下さい。

タイ国内の規制

 5月22日現在のタイ政府の発表では各地域によってコロナ対策の規制を定めています。

・高度監視地域(イエロー・ゾーン)65県
・観光開国パイロット地域(ブルー・ゾーン)バンコク都を含む28都県

 前回の投稿からタイ国内の規制については特に大きな変更はありません。ショッピングセンターなどの商業施設は通常営業をしており、飲食店も政府の認定を受けていれば深夜0時までアルコールを提供できます。各ゾーンによって規制内容が異なりますが、おおよそタイ全土でほぼ同じルールが適用されていると考えて良いでしょう。

 イエローゾーンとブルーゾーンの大きな違いはイエローゾーンでは1000人以上の集会を規制しているのに対し、ブルーゾーンには厳密な数字は規定されていません。観光地ではコンサートや野外イベントを行っても良いという配慮かと予想します。渡航前に必ずご自身で最新の情報をご確認ください。

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