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「観光客は必ず戻る」差別化されたコンテンツをアフターコロナの原動力に―愛知県観光コンベンション局 武田光弘局長

  • 2022年4月4日

ジブリパーク開園と大河ドラマ決定の追い風を受けて

 愛知県は中部地域を支える経済圏として知られる。その一方で観光地としてのインパクトが弱い印象がある。そこからの脱却を担うのが愛知県観光コンベンション局だ。今年11月にジブリパークが開園するなどアフターコロナに向け話題も盛りだくさんの愛知県の観光戦略について、武田光弘局長にインタビューした。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

武田氏。インタビューはオンラインで実施した。

-愛知県観光コンベンション局の概要をご説明ください。

武田光弘氏(以下敬称略) 県の観光振興を目的に2015年に設置された部局で、職員数は52名です。2課1室で構成し、主に国内観光振興等を担当する観光振興課と、MICE誘致やインバウンド促進等を担当する国際観光コンベンション課があり、その他に中部国際空港に直結した愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」の管理・整備等を行う国際展示場室があります。

-ご自身の紹介もお願いいたします。

武田 2018年に県庁職員となり、観光コンベンション局の観光推進監を経て昨年から局長を務めています。以前はニュージーランド政府観光局やタヒチ観光局、香港政府観光局などでマーケティングや観光プロモーションに携わり、愛知県に来る前は日本政府観光局に勤務していました。各国観光局では長年にわたり日本人旅行者を海外へ送客する仕事に従事してきました。愛知県では逆の立場になりますが、国内外の各地から愛知県へ旅行者を誘致するため、これまでの経験や人脈を生かしていければと考えています。

 愛知県出身なので、生まれ故郷が国内外からどう見られ、その魅力をどう発信していくのか、非常にやりがいを感じています。

-コロナ禍による愛知県の観光への影響をお聞かせください。

武田 コロナ禍で旅行需要が大幅に減少し、愛知県の宿泊業や観光施設、交通事業者等の観光産業が極めて深刻な影響を受けているのは、日本各地、世界各地と同様です。観光庁「宿泊旅行統計調査」の愛知県の2021年の延べ宿泊者数・速報値は約1172万人で、コロナ禍前の2019年比39.4%減と大変厳しい状況です。ただし2021年の延べ宿泊者数は全国平均が前年比5.0%減なのに対し、愛知県は5.9%増でした。

 需要動向は新型コロナウィルスの感染状況に左右されるため状況に応じた振興策が必要です。その点、愛知県はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言とその解除といった状況に素早く対応し、機動的な対応を緩急をつけて実施したのが功を奏しました。

-宿泊需要を支えたのは、どのような客層ですか。

武田 県内在住の方々による観光が中心です。近県からの観光客はごく少数で、ほぼ県内客の動きですが、これを機に自分たちの住む県の観光的な魅力を知ってもらえたことは成果だと認識しています。

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