【ホテル総支配人リレーインタビュー】第13回 富士スピードウェイホテル総支配人 吉川源太氏
モータースポーツの魅力発信を担う
富裕層向け個性派ホテルを目指す
第12回のホテル日航福岡の大月照雄総支配人からバトンを渡されたのは、「アンバウンド コレクション by Hyatt」ブランドの日本における第1号として2022年秋の開業を予定する、富士スピードウェイホテル総支配人の吉川源太氏。昨年7月に着任し、開業準備室で指揮を執る吉川氏に、日本初お目見えの新ブランドの抱負と、準備の進捗状況を伺った。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
吉川源太氏(以下敬称略) 今秋開業予定の富士スピードウェイホテルは、神奈川県と山梨県境に近い、静岡県駿東郡小山町にあります。金太郎の故郷といわれる小山町ですが、観光地としての認知度は高くありません。
スイート21室とヴィラ5室を含む全120室で、スタンダードルームでも43平方メートルからとスペースに余裕があり、スイートは86平方メートル、ヴィラは140平方メートルの広さを占有できます。一部の客室とヴィラはドッグフレンドリールームで、愛犬連れで滞在していただけます。
料飲施設はオールデイダイニングと、スペシャルティーレストラン、ロビーラウンジ、メインバーの4施設。宴会場は400平方メートルのボールルームと120平方メートルのファンクションルームの2つがあります。また、ホテル棟とは別に宿泊者だけが使用できるウェルネス棟があり、プールやジム、トリートメントルーム、温泉浴場等を利用できます。
トヨタ博物館が監修する富士モータースポーツミュージアムと一体化した造りとなり、ホテル敷地と道路を挟んだ反対側にはモータースポーツビレッジがあります。レーシングチームのガレージを核に、温浴施設やイベント広場などを備えたアミューズメント施設としてオープンする予定です。
吉川 1972年生まれで先日50歳になったばかりです。米国留学中にホテルマネジメントを専攻、1996年にパークハイアット東京に入社し、宿泊部門を中心に11年間勤務しました。2007年にザ・ペニンシュラ東京開業準備室の宿泊予約マネージャーとして入社。翌年にはフロントオフィスマネージャーになりました。その後2012年にハイアットリージェンシーグアムへ移り、宿泊部長を務めました。2016年にグランドハイアット福岡副総支配人として帰国し、翌年からは総支配人を務めていました。
吉川 アンバウンド コレクション by Hyattは、ハイアットが世界で展開する20ブランドの中でも2016年にローンチしたばかりの新しいブランドで、今回が日本初進出。ご存じない方も多いと思いますが、特徴は全ホテルが個性的であること。ブランド加盟ホテルは伝統と由緒あるホテル、歴史的建造物のホテル、あるいは斬新な建築の新規開業ホテル、最先端のトレンドを取り入れたホテルなど、いずれも個性派なのが共通点で、それぞれ唯一無二のストーリーと強烈な個性を持ったホテルの集合体です。
ホテルは国際サーキットである富士スピードウェイに隣接し、客室からレース観戦も可能。これまでのサーキット周辺ホテルが実現できなかった方法でモータースポーツを観戦できるホテルになります。そこで得られる迫力や五感を刺激する興奮は、他では味わえない体験となるはずです。
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