IT系に行った元社員が振り返る今週のニュース ー JATAの素晴らしい現実認識と変革への考え
JATAフォーラムでの海外旅行に関する議論を読んだのですが、かなり為になる内容でした。具体的な数値や策、フェーズに関するところももちろん興味深かったのですが、パスポートの所有率に関しては、自分の考えに全くない点で、数値の低さに驚きました。
全体的にも、現実を踏まえつつ悲観的なシナリオを想定しつつ、業界全体へ変革の必要性を話されており、もし業界で日常的にこういった議論がされていてその情報が公開されていたのだとしたら、観光産業の未来は色々な意味で明るいだろうなと感じる程です。
中でもジェイアール東日本企画の高橋氏の「もう一回(海外旅行の)ムーブメントを皆で作らなければならない」という発言は現状を踏まえた上でされた非常に前向きかつ強い発言で、インタビュー記事があれば読んでみたいなと思うほどでした。考えてみれば、私の生まれる前は海外旅行なんていうのは一般的ではないという時代があり、そこから海外旅行を身近なところに持っていったのは絶対に旅行業界の力があってこそだったはずです。ならば時代は変わっても、同じ事がもう一度旅行業界にできるはず、と業界全体が前向きに行かねばならないですね。(私はすぐ批判的なことを言いがちですが……)
と、前向きなことを言いながらもハワイに関する後ろ向きな情報もやはり目を瞑れません。日本における海外旅行の王様だったハワイも、このコロナの影響による治安悪化に物価の上昇と、観光地としてはなかなかに厳しい変化です。日本人旅行者がハワイを普通に訪れられるようになる頃にそれらの状況が好転していればよいのですが、問題の要因がコロナによる収入の減少にもあるでしょうから、残念ながらそう簡単ではないでしょうね……その上で、それでも人気のハワイであり続けるのか、他のディスティネーションがその座を奪うために大規模なマーケティングをしかけるのか。コロナ後はそういった各地のマーケティング競争も激しくなるのでしょうね。