「空の旅」で都道府県間の相互誘客を活性化させる3事例を紹介-「空の旅」を考えるサミット [PR]

  • 2022年3月9日

平和ツーリズムや地域の知られざる歴史をテーマに
課題解決で第2のふるさとづくりも促進

ANAとの連携で関係人口や第2のふるさとづくりを

ANAあきんど株式会社 大阪支店長 種村守之氏(右)とひょうご観光本部 ツーリズムプロデューサー 江藤誠晃氏(左)

 ANAあきんど大阪支店長の種村守之氏とのセッションでは、「Journey +HYOGO」実証実験が紹介された。種村氏は、Journey +について、「地域課題の解決、自己成長、人の繋がりなど、これまでの観光のスタイルとは違う旅の演出をするためのプログラム。旅にプラスの目的や価値を作り出し、関係人口や第2のふるさとづくりを促進していく」と説明した。

 実証実験では、南あわじ市で「体験型宿泊施設に生まれ変わった廃校で学ぶ農漁業の未来」、西脇市で「播州織が紡ぐ未来への挑戦」を実施した。





 南あわじ市の取り組みは、ANAあきんどが奈良県下北山村で行った廃校を活用したワーケーション実証を参考にしているという。また、西脇市では、同市が「SDGs未来都市」に選定されていることから、コットンの99%が輸入という状況の中で、斜陽が進む播州織の復活をテーマに、持続可能な観光モデルを模索した。

種村氏

 種村氏は「SDGsに旅行者がどのように関われるのかが、目的地を選ぶ上で重要な要素になっている」と指摘するとともに、大阪観光局と共に泉州地域13市町村で「もったいない」をテーマに実施している「観光と食」の素材の掘り起こし事業も紹介した。

 ひょうご観光本部では、実証実験でモニターツアーを実施。4回の実施でそれぞれ8名、計32名が参加した。参加者の選定では、説明会に集まった人たちのプロファイルを取り、どの地域にどのような人が興味を持っているかを数値化。「関係人口になり得る人を抽出して、年代、性別、居住地、出身地を聞くことで、ペルソナとしてのターゲットを見極めた」(江藤氏)。

 江藤氏は、Journey + HYOGOの取り組みについて、「負のアセットを観光素材に変えて、新たな観光需要を作っていく」と説明。モニターツアーの様子を動画で配信し、2市への興味喚起を促すとともに、モニターツアーで蓄積されたデータをベースとした観光マーケティングで展開することで、関係人口の創出や第2のふるさとづくりを進めていく考えを示した。

公益社団法人ひょうご観光本部
公益社団法人ひょうご観光本部は、昭和27年に兵庫県観光連盟として発足しました。現在約300団体様に会員としてご入会をいただき、兵庫県への観光客誘致のために国内外へ向けてさまざまな活動を行っています。