地域に分け入るJAL社員たち~三重県志摩市編~
街全体が国立公園
自然の活用と保護を両立する持続可能な観光地を目指して
客室乗務員や業務企画職など、幅広い職種の社員が各都道府県の自治体等に出向している日本航空(JAL)。シリーズ「地域に分け入るJAL社員たち」では、出向者と自治体の担当者、それぞれの目線で地域の魅力や課題、相互への期待などを語っていただくことを通して、ポストコロナに向けた地域創生を考えていく。
三重県志摩市は、市全体が国立公園に含まれる自然豊かな地だ。志摩市の産業振興部観光課に出向し、この自然を活かした観光振興に取り組む村上康司さんと、同課で主事を務める森本泰史さんに話を聞いた。
三重県志摩市
産業振興部観光課 村上康司さん
出向前は志摩市を訪れたことはありませんでしたが、漠然と、サミットの開催地で真珠養殖が盛んで、伊勢えびやあわびなどの海産物が有名、といったイメージを持っていました。着任してみると、思った以上に気候が温暖で、市民の皆さんもあたたかく、とても住みやすいと感じました。
こちらに来てから市内各所を回りましたが、やはり独特のリアス海岸が作りだす海の眺めが素晴らしくおすすめです。横山展望台からの英虞湾の眺望、国府や御座の白い砂浜、桐垣展望台から見る夕日は絶景ですので、ぜひ多くの方々に観てもらいたいです。また市内には、安乗埼灯台と大王埼灯台という、全国でも数少ない登れる灯台「参観灯台」があります。2基ともに、上からの迫力ある眺めは必見です。
日帰り観光の増加による市内宿泊数の減少や、観光需要が特定の時期に集中しているといった課題があります。私はワーケーションの推進を担当しているので、ワーケーションを通じて長期滞在を促進し、平日・閑散期の誘客に繋げようと取り組んでいます。来年度も引き続き、志摩ならではのワーケーションの拡充を図っていきたいと思います。
また、現在志摩への誘客は、中部・関西圏が中心となっているため、首都圏を含め、全国各地から訪れていただきたいと思います。県内に空港がないという土地柄、どうしても移動手段として飛行機の利用率が低いのですが、目下飛行機利用の北海道・東北発の旅行商品の造成を進め、新たなターゲットの獲得を図っています。
次ページ >>> 豊かな自然を活かし、楽しみながら学べる観光商品を