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Googleマップのピンのように世界中で「刺さってみた」―『地球の刺さり方』著者Kozee Kidoさん

  • 2022年2月7日

ニューヨークへのダンス留学が世界旅行の始まりに
一番印象に乗っているのはウユニ塩湖

-そこで、「SASARU project〜地球の刺さり方」を始められます。その発想の原点を教えてください。

Kozee Kido プロジェクトのスタートは2014年2月です。その時点で、世界の人の8割がスマホを持っていて、世界標準のGoogleマップを備えてました。世界中の人が同じマップを見ることができる環境があったわけです。旅に出る前に、Googleマップで行きたいところをマークすると赤いピンが立ちますよね。この赤いピンを使って、何かできたら面白そうだと思ったのが原点です。

 そこで、自分も赤いピンのように、その現場に刺さってみようと(笑)。写真で見せれば、言葉はいらない。同じ人間であれば、「刺さっている」ことが分かります。今では「カワイイ」など日本語が世界標準語になってる言葉がありますけど、「ササル」も外国人が使い始めたらめちゃくちゃ面白いんじゃないかと思ったんです。著書の副題となっている「地球の刺さり方」も旅に出る前から決めてました。

 テレビマンとして、モノの売り方、人のアプローチなど、どうやったら人の興味を惹くことができるかをずっと考えていたので、その企画脳が役立ったのかもしれません。

 僕は最初から発信することを目的にしていたので、その街に行ったら、絶対食べるべきものを食べたし、絶対行くところは全部行きました。お金はかかりますけど。旅行が楽しいというのは僕も他の人と一緒です。それに加えて、僕の場合は、刺さっているだけです(笑)。

 写真を見ている人が、僕と同じ気持ちで旅をしているような気持ちになって欲しい。フィードを見るだけで、楽しい気持ちになってもらえればと思ってます。それもブロジェクトのテーマのひとつです。

旅のスタートはタイから!
プーケットのバングラロード


-写真を見ていると、垂直の逆立ちではなく、少し斜めに傾いています。どうやって姿勢を保ってるんですか。

Kozee Kido 人間は自分の理解できないことにめちゃくちゃ興味が湧きますよね。あえて、斜めに刺さっている感じが出るようにあの角度を保っています。三点倒立垂直に立った後に、ゆっくり倒していきます。体幹をものすごく使うし、結構勇気がいるんです(笑)。

 『紅の豚』の舞台となったギリシャのザキントス島では、下の入江の部分が入らないと作品として完成しないので、命懸けでした。あの時は相当腰がひけてた。そういった体を張った写真はいくつもあります。

こちらがザキントス島での1枚

-発信方法としてインスタグラムとフェイスブックを両方使っていますが、違いはありますか。

Kozee Kido まず見ている年代が違います。旅を始めた時の一番のトレンドはフェイスブックで、インスタは限られた人しか使っていませんでしたが、旅をして1年ほど経つと、インスタの人気が出始めました。刺さる写真は、途中からアートとして評価されたので、インスタでの発信に力を入れ始めました。インスタのフォロワーも増えましたし、企業からのオファーも増えています。フェイスブックの利用者は今は40代以上が中心だと思いますが、それでもフェイスブックでの発信も続けています。

-HISや星野リゾートなどともコラボしています。

Kozee Kido これは先方からオファーがありました。同じような興味を持ってくれる方がオファーしてくれるので、実際に仕事はめちゃくちゃ楽しかった。先方も企画を出してくれるので、話し合いながら、いいものを創っていくやり方は楽しいですよね。

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