厳しい環境で奮闘する社員に恩返しをーIACEトラベル 代表取締役社長執行役員 西澤重治氏
需要・取扱量が半分でも黒字化できる体制に
コロナ禍もDXを進めるチャンスと捉える
西澤 先ほども少し触れましたがDXの推進が1つ。もう1つが収益構造の多様化です。DX推進で人的サービスをなくすわけではありません。人がやるべきこと、機械ができること、それぞれを明確に区別して社員の生産性を高めていきたいと考えています。
西澤 BTMを主体とする旅行会社の部分は変わらないと考えていますが、収益の半分は旅行手配に頼らず稼げる会社にしたいですね。そのための試行錯誤を行いはじめた段階です。その上で顧客、社員、会社に係る者全員が幸せになる会社を作ります。
そのためにも、旅行だけの狭い視野でなく大きい視点に立って物事を見たいと考えています。旅行業をやめるわけではありませんが、法人顧客を持つ強みを活かし、さまざまな可能性に挑戦していきたいと思います。それによって、コロナ禍と同じような危機が発生しても大丈夫な企業になっていかなくてはなりません。口で言うのは簡単ですが、できるかどうかはやってみないと分からない。ただしいま動かなければこの先がないことも間違いないのですから。
西澤 変化の「変」です。コロナ禍で人々の意志に関係なく世界は大きく変わりました。これを逆に企業にとって変化していくチャンスと捉えたいと思います。辛いことはありましたが、当社がここまでDX推進に思い切って舵を切れたことはコロナ禍前にはなかったこと。現在の状況を乗り切って、さらに強い会社を目指します。
9.11危機の際にはアメリカ旅行主体の当社は苦しい状況でしたが、「ピンチはチャンス」を合言葉に、9.11を言い訳にはしないと社内で意思統一しました。そのおかげで、より影響の大きかったSARSの際には社長の私が言うまでもなく、社員一人ひとりが自分にできることを探して自主的に動いてくれました。今回のコロナ禍のダメージはこれまでの危機と比べ物にならないほど大きいですが、自分たちから変化にチャレンジしてピンチをチャンスに変えて行きたいと思います。