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千葉は日本のフィンランド? コロナ後は北欧を軸にインバウンド事業を構想-GREENBIOCORPORATION 代表取締役 井田洋氏

  • 2021年12月21日

旅行会社ならではのノウハウをサービスに転化
旅行業をベースに新たなコンテンツを生み出す

-2019年比で、2022年の海外旅行の需要回復をどのように想定されていますか。

井田 難しいところですが、結局コロナの状況次第となってしまいますよね。旅行業界はムード産業でもあると思うので、旅行へ行こうという気運が高まれば2019年を上回る可能性もあると思います。ただ、そのムードが作られない限り今の状態が続くので、オールオアナッシングではないかと思います。そのため2022年に向けてベストとワーストの両方を想定して動いています。

-ウィズコロナ時代に生き残るのはどのような旅行会社だと思われますか。

井田 旧態依然のスタイルで対応している旅行会社は、厳しくなっていくのではないでしょうか。オンラインが全盛になり、代理店を通さなくても集客できる時代になってきました。航空会社やホテルなどのように「商品」を持っていない私たち旅行会社には代行しかなく、唯一の財産と言えばノウハウです。

 当社では、得意とするフィンランド旅行に関しては、ホテルや現地ガイドとは直接契約しています。一般的なランドオペレーターを通さずに手配できているのは、長年培ってきたノウハウを活かして良い関係を築けているからです。しかし最近の旅行会社の中には、ノウハウを持っていない会社が少なくありません。お客様の方がインターネットを通じて詳しい情報を得ています。ノウハウや情報を得るには時間もお金もかかりますし、アップデートもしていかなければなりません。ノウハウを蓄積していくのは難しいことかもしれませんが、皆が必要としている情報を提供できる会社は今後も生き残れるのではないでしょうか。また、ノウハウを持っている旅行会社であれば、タイアップをはじめ様々な方法でそれを横展開していくことで、生き残っていくと思います。

-旅行商材の仕入れについて、仕組みや習慣は変化すると思われますか。

井田 航空券に関して言えば、コロナ前からの変化ではありますが、コミッションがなくなり、お客様自身がオンラインで手配したほうが安いという状況が出来上がっています。そのため、価格だけでは仕入れ先を決める判断材料にならなくなり、従来のやり方は淘汰されていくのではないでしょうか。例えば時間を問わず発券できる、予約から2時間以内に発券してくれるなど、サービス面での勝負に変化していくと思います。

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