韓国の「今」を駐在員の視点から-ウィズコロナに移行へ、海外旅行商品の販売も再開
ソウル首都圏におけるコロナウイルス防疫体制の第4段階は10月31日まで延長されていましたが、10月末に目標であった2回目ワクチン接種完了率70%を達成し、11月1日より新しいコロナウイルス防疫体制は「段階的日常回復移行計画」(ウィズコロナ移行計画)へ移行し、行動規制は大幅に緩和されました。今回の規制緩和では、レストランやカフェなどの営業時短規制が解除され、スポーツ観戦も屋内30%、屋外40%まで可能となりました。
街の活気は徐々に戻りつつありますが、9月末からの感染者数は現在まで連日2000人前後と高止まりの状態となっています。ワクチン接種完了者のブレイクスルー感染や、医療施設等でのクラスター発生は後を絶たず、このままでは規制は後戻りになるのではと心配されています。今回は、新規感染数が落ち着かない中、進められるウィズコロナへの対策の転換、韓国人の海外旅行状況、ソウルの街の様子をレポートします。
段階的日常回復(ウィズコロナ)への転換
韓国保健福祉省は10月29日、規制を緩和しながら新型コロナウイルスとの共生を目指す「段階的日常回復移行計画」(ウィズコロナ移行計画)を発表、11月1日より同計画の運用を開始しました。この計画では、ワクチン接種完了率、集中治療室・入院病床の空室率、重傷者数・死亡者数、感染者の規模、実行再生数などで評価し、3段階に分けて段階的に規制を緩和していくことを計画しています。11月1日から実施された1段階では、飲食店の営業が24時間、私的な集まりは首都圏では10人まで、非首都圏では12人まで可能になりました。
段階 | 予想される適用日程 | 主要な制限の緩和 |
---|---|---|
1段階 | 2021年11月1日~ | 生業施設(※)運営制限緩和 ※不特定多数が利用する施設 |
2段階 | 2021年12月13日~ | 大規模行事許容 |
3段階 | 2022年2月4日~ | 私的集合制限解除 |
感染状況
韓国では6月下旬から新型コロナウイルスのデルタ株による第4波が襲来、9月下旬に過去最多の新規感染者数を記録した後、感染者数は減少傾向を示していましたが、10月23日を境に再び増加に転じ、現在もその傾向は続いています。ワクチン接種を完了した人たちのブレイクスルー感染が、ワクチン接種から時間が経過した高齢者を中心に広がっています。11月17日には過去2番目の多さとなる3187人を記録し、ソウルの重傷者専用病床は既に8割が埋まっていると報道され、そのような状況で規制の緩和を進めることに疑問の声も一部で上がってきています。
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