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渋谷がアフターコロナで目指す観光とはー渋谷区観光協会事務局長 小池ひろよ氏

  • 2021年10月29日

全国観光協会・DMOサミットも企画
MICEの誘致やナイトタイムエコノミーの充実も

-他の自治体や地域との連携はいかかですか。

小池 今年の事業計画に初めて広域都市連携の取り組みを盛り込みました。たとえば、ハチ公のふるさとである秋田県大館市や渋谷区の青少年センターがあった新島との連携など、渋谷区とつながりが深い自治体と協力することで、相互送客や関係人口の創出を目指していきます。

 また、新たな試みとして、11月9日には、全国の観光協会やDMOとネットワークを形成する取り組みとして「ルック・ローカル・サミット」をウェビナーで開催します。渋谷区と友好関係のある自治体の観光協会やコンベンションビューローに参加してもらい、トークセッションなどを実施する予定です。

 米国の「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」のようなイベントを目指し今年4年目の開催となった「SOCIAL INNOVATION WEEK 2021」との連携プログラムとして初めて開催しますが、今年は登壇者・参加者と共に議論からアクションにつなげ、将来的には、全国の観光協会やDMOが集まり、ナレッジ共有や情報交換などができる真のネットワークづくりができる場をみなさんと共創していきたいと考えています。

 また、観光事業者以外にも、渋谷区内のアーティストやクリエーターなどと地方の観光協会との交流の場も作っていきたい。彼らも地域とのつながりを探しているのではないでしょうか。さらに、将来的には単なる情報交換やマッチングの場だけなく、実利が伴うようなイベントにしていきたいと思っています。

 文化×観光には広い切り口があります。それをもっと深堀りしていくことは、日本が真の観光立国になるために必要なことではないでしょうか。

 今後、「ルック・ローカル・サミット」で出た意見をまとめながら、渋谷区単独ではなく、いろいろな自治体に参加していただき、皆でイベントを大きくしていきたい。来年以降は、渋谷区以外で開催できればと考えています。

-地域の観光促進に必要なことは何だと思いますか。

小池 渋谷区観光協会は今年4月から、Airbnbと「PEOPLE TRIP GUIDE SHIBUYA」というプロジェクトに取り組んでいます。この意図には、ローカルな人に焦点を当てることがその地域のさまざまな魅力の発信やコンテンツになるとの考えがあります。人こそすべてです。住んでいる人、商いをしている人が知っているものが観光コンテンツになり得る。その意味では、地方にこそそういうユニークなコンテンツを持っている人は多い。その人にフォーカスすれば、観光の磨き上げになるのではないでしょうか。

-最後に観光産業に向けてメッセージをお願いいたします。

小池 渋谷はオープンな街です。渋谷区観光協会もずっと門を開けています。いつでも扉を叩いていただきたいと思っています。できることを皆さんと一緒に考えて、「ルック・ローカル・サミット」のようなアクションを起こして、次の時代につなげていきたいと思っています。

-ありがとうございました。