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渋谷がアフターコロナで目指す観光とはー渋谷区観光協会事務局長 小池ひろよ氏

  • 2021年10月29日

全国観光協会・DMOサミットも企画
MICEの誘致やナイトタイムエコノミーの充実も

 インバウンド成長の象徴的な場所だった渋谷スクランブル交差点も、コロナ禍で様子が変わってしまった。緊急事態宣言のなか、外国人旅行者どころか、日本人の訪問者も激減。それでも渋谷駅周辺の再開発は進み、街はさらに進化を遂げている。アフターコロナに向けて、渋谷区はどのような観光施策を進めていくのか。その目指す観光の姿とは。渋谷区観光協会事務局長の小池ひろよ氏に聞いた。

小池氏

-まず、ご自身の紹介をお願いいたします。

小池ひろよ氏(以下敬称略) 2018年に一般財団法人渋谷区観光協会の事務局長に就任しました。それ以前は、シェアリングエコノミー協会の事務局次長と空きスペースのシェアリングビジネスを展開する「スペースマーケット」の社長室を兼務していました。私の経歴のなかで、最も長く旅行業界に携わったのはトラベルjpを運営するベンチャーリパブリックになります。7年間社長付きとして勤めました。

 そのときに、トラベルテックのイベント「WiT Japan」の立ち上げにも携わり、MICEのオーガナイザーとしての経験も積みました。5年間このイベントに関わりましたが、海外と日本との架け橋になるような仕事ができたことは、私のキャリアにとって大きいものになりました。

 WiTでは、海外のカンファレンスのように演出にもこだわり、学ぶことに重きを置いた会場づくりに注力しました。参加者も当初の100人程度から私が担当した最後は500人以上に増え、観光産業に違う刺激を与えるイベントに育ったのではないかと嬉しく思っています。今では「WiT Japan & North Asia」となり、エリアも日本のみならず規模も大きくなっています。

-渋谷区観光協会について教えてください。

小池 渋谷区と東京商工会議所によって2012年に設立されました。その後、2016年に新しい渋谷区長になったときに、国際文化観光都市として戦える街にしていきたいとの思いで、現在代表理事を務めている金山淳吾が事務局長として入り、組織を斬新に変えました。現在は、金山と私に加えて、管理、財務、広報、事業開発を担当する4人と、特別賛助会員企業からの出向者2人で運営しています。全員民間出身です。名誉会長は、俳優で「ショートショートフィルムフェスティバル」代表や「Visit Japan大使」も務める別所哲也さんにお願いしています。

 渋谷区観光協会が特徴的なのは、渋谷区からも助成金ではなく、特別賛助会員の会費を事業費に充て活動しているところです。そのなかに渋谷区も含まれています。2016年に新しい組織を立ち上げたときに、もっとアグレッシブに事業を進める必要があるとの考えから、そのような体制になりました。毎年、予算を立てて、事業計画を作成。事業開発に必要なことを瞬時に判断できる体制になっていると思います。

 一方、渋谷区の産業観光課や文化振興課などをはじめとする所管とは密に連携をしています。渋谷区は昨年、産業観光・文化担当部長を民間から招きました。行政が積極的に民間採用を進めているのが渋谷の特徴でしょう。民間だからこそできることは多く、フットワークは軽いと思います。

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